2018年6月

2017年12月、フランスの一流の教育機関、ソルボンヌ大学は、グラン・アンフィテアートルにL-Acoustics Syvaシステムをインストールして、新年とともに、高明瞭オーディオの新時代を迎える準備をしました。建物は1889年に竣工し、1975年にフランスの歴史的建造物に登録されました。美しい部屋の建築と融合しながら、残響の多いスペースの問題を解決するよう設計されました。

「ソルボンヌのグラン・アンフィテアートルは、会議、スピーチ、授賞式、コンサート等、権威のあるイベントを主催しています。」と、会場のAVテクニカル・マネージャ、Mathieu Miotは説明しました。「ただし、吸音材が非常に少ない、残響の多いスペースでもあります。古いシステムは、指向性がなかったため、明瞭度が非常に低かったのです。これらの問題を解決しながら、会場の歴史的美観を保って、建築に物理的な影響を与えないシステムが必要でした。」

オーディオコンサルタント会社、Altia AcousticsはPAシステム監修を行うために雇われました。2年の間、ソルボンヌの12人の人々が、様々なメーカーのビームステアリング技術とスタックされたラインアレイのシステムを比較しました。監修の最中、ソルボンヌのイベント担当者は、オーディオ要件を満たすために外部サービスプロバイダーを使わなければならなかったのですが、L-Acoustics Kivaはよく、その一時的なソリューションとして使われていました。ソルボンヌのチームはKivaを聞いてから、機器選択としてデモンストレーションに参加することを要請しました。

「最初のリクエストは、グラウンドスタックされた3台のKiva IIで構成されたシステムの試聴でした。」と、L-Acousticsのセールスマネージャ(フランス)、Olivier Inizanは言っています。「数ヶ月前なら、そのリクエストに応えていたでしょうが、Syvaシステムを発表したばかりでしたし、プロジェクトのすべての要望を考えると、Syvaの広い水平方向の拡散特性が会場の客席両側をよりよくカバーできることと、中域の周波数で垂直方向指向性のコントロールをより簡単にできることが明らかでした。」また、Syvaのデザインの美しさ、インストールの易さと、必要なキャビネットの数が減ることによる高いコストパフォーマンスも、重要な利点でした。「Syvaシステムにすることで、最大の問題は、ソルボンヌの人たちにKiva IIのデモをする必要が全くないことを説明することでした。」

ところが、Syvaを試聴してみると、満場一致で合意が得られました。配線工事および伝送システムの全面改修を受注した、フランスの設計・施工会社 SNEFは、L-AcousticsアプリケーションエンジニアのArnaud Delormeによって一任され、調整されたシステムを設置しました。そのシステムは、ステージの両側に配置されたSyva Lowの上にマウントされたSyvaで構成されています。また、ステージリップに均等に配置された4台の5XTキャビネットは、フロントフィルを提供し、アンフィテアートルの2段のバルコニーボックスに配置された合計16台の5XTは、劇場全体にわたって均一なカバレッジを提供します。

「このように残響の多い場所は、SyvaとSyva Lowが一緒に提供する垂直方向の指向性コントロールを最大限に活用できます。」とDelorme氏は語っています。「これにより、可変曲率構成で多数のキャビネットを使用するよりも、はるかに高い明瞭度が得られます。このシステムは、LA Network Managerで作成されたプリセットのおかげで、汎用性が高く、スピーチからさまざまな音楽ジャンルまで、多くの状況に適応します。スピーカーを部屋の周りに移動するにも手間がかからず、ボタンを押すことだけで、特定のイベントのためにシステムを最適化することができます。」

「Syvaシステムを導入したことにより、非常に高い明瞭度と一貫性を得て、声の奥行き感と音色を保つこともできるようになりました。」と、Miot氏は結論として述べました。「更に、Syvaの美しさは、劇場にマッチします。そのモダンなデザインとグラン・アンフィテアートルの歴史的な美しさとのコントラストは本当に興味深いです。」

全ての写真提供 © Rectorat de Paris – Sylvain Lhermie