新しく印象的な英国物理学会(IOP)のロンドン本部は、最先端のAVが組み込まれることが前提で一から作り替えられました。

2019年11月
新しいIOP本部は昔、ロンドンのキングスクロス近くのこれから発展する文化産業が集まるエリアに位置する古い配管用品専門店でした。レンガ造りの外観だけを残して、全く新しいものに変身しました。£1350万をかけたプロジェクトの美しいコンクリート構造は、大画面でインタラクティブな体験を、IOPを訪問する毎年200,000人以上の人にもたらします。ここは最先端科学を広める空間であり、映像と音響のクオリティーを、そのコンクリートと同じくらい建物の本質の一部にする必要がありました。

プロジェクトのAVコンサルタントを務めたRecursive AVは、あまりないことですが完成の2年前に建築家にコンタクトを取ることができたおかげで、建物の設計段階から関わり、訪問者のために可能な限り最高の体験を実現することができました。

Recursiveのマネージングディレクターであるデビッド・イェイツ氏は、学会が熱望する目的を達成するプレミアムテクノロジーとして、L-Acoustics SyvaKiva IIを選択し、理想的なオーディオソリューションであることを確信しました。「IOPはハイエンドのオーディオアプローチに値すると感じました。」と彼は説明します。「ここに、世界中の学者、政策立案者、放送局などが集まってきます。私たちは音質を確保しながら視覚的なインパクトを抑えることができること、そしてシステムが困難なスペースに対処できることを確認する必要がありました。様々な構成で素晴らしい明瞭度と一貫した音響特性を提供する必要がありました。」

このプロジェクトでは、建物の設計でミスが許されないため、適切な計画と予測可能な結果が不可欠な条件でした。建物の内部は、きれいに磨き上げられたコンクリートで仕上がっているため、ケーブルやケーブル配管が目立った設置をすることはできませんでした。掘削に使用される水が壁などを汚すため、追加で穴をあけることは不可能で、配線はコンクリートにプレキャストする必要がありました。これは、建設前にスピーカーの位置を把握するために、アコースティック・モデリングが計画段階の鍵となることを意味しました。

メインギャラリーのシステムは映像スクリーンの左右とバルコニーに配置されたSyvaと、必要に応じて追加できる108PとSB15Pで構成されています。

RecursiveはL-Acoustics Soundvision 3Dモデリングソフトウェアを使ってシステムを設計するとこで、結果を予測できました。「Soundvisionでシステムモデリングすれば、間違いは起こりません。」とイェイツ氏は述べます。「実際の反応を予測することに非常に難しく、他の製品では必ずしもうまくいくとは言えません。プロセスを信頼することができます。」

IOPの建物の特長は、可動式の壁で2つに分割できる大きくて柔軟な講堂と、3倍の天井の高さを持つギャラリーエリアに向かって開くことができる前壁です。ギャラリーの目玉は、3台のエッジブレンディングプロジェクターを使用し、大きな画像を投影するためのカスタムメイドによる幅11mのスクリーンです。Recursiveのアドバイスによって、建物の設計者はそのエリアの天井を高くし、スペース全体を90度回転させました。イェイツ氏の最大の優先事項は、このスペースの柔軟性を保つ一貫した音色を提供することでした。

Recursiveはメインギャラリーの映像スクリーンの左右にL-Acoustics Syvaスピーカー、必要に応じてギャラリーの周辺に柔軟な配置を可能にする4台の108PSB15Pサブウーハーを選択しました。講堂には左右に2台のKiva IIが吊られており、更に2台のSB15mサブウーハーがあります。

「スペースが解放されたとき、システムが1つとして機能する必要があり、コンポーネントも美しく機能する必要がありました。」 とイェイツ氏は述べます。「Syvaはアートギャラリーを念頭に置いて設計されましたが、この環境に綺麗に溶け込んでいます。また、ギャラリーはリバーブ時間が長いのですが、Syvaはそれをうまく克服しています。実は、建物の一階から入ると、バルコニーに向かってそのスペースを見下ろすことになるのですが、Syvaはそのバルコニーもカバーしています。

「講堂では、スペースが解放されたときのサウンドの一貫性を保ちながら、広いステレオイメージとパンチが必要でした。そして天井も低くなっています。Kiva IIボックスはコンパクトであり、そのエリアでうまく機能します。」

イェイツ氏は、IOP施設の設計が難しいシステムであることを認めていますが、L-Acoustics製品の柔軟性とSoundvisionの予測の正確さが、最初から正しいデザインを可能にする上で大きな役割を果たしたと指摘しています。

「L-Acousticsとの作業には長い経験を持っています。私たちにとって、L-Acousticsはなじみがあり、信頼できるブランドです。彼らが提供するツールと同様に、現場で提供するサポートは優れています。彼らは常に私たちをサポートしていて、私たちはパートナーシップとしてプロジェクトに協力していることを感じています。

「これは典型的なL-Acousticsシステムではありません。私たちはルールブックに厳密に従っていないのです。しかし、すべてのシステムは非常にきれいにブレンドされるため、上手く行くことを確信していました。」

講堂には左右に2台のKiva IIが吊られています。