Sennheiser Digital 6000シリーズをArxiduc Audioが導入
2013年の創業以来、企業イベントや展示会、アーティストのコンサートなど、幅広い分野の音響業務を手がけているPAカンパニー、Arxiduc Audio(アーチドゥーク・オーディオ)に、ハンドヘルドマイク SKM 6000を中心とするSennheiser Digital 6000シリーズ(以下、6000シリーズ)が導入されました。
同社としては初のSennheiserワイヤレスシステム導入のキーマンとなったのが、ディレクター兼チーフエンジニアの德田 時彦氏です。2025年2月に入社した德田氏は、それ以前に20年以上のキャリアを持つPAエンジニアであり、長年にわたりSennheiser製品を使用していた経験が今回の導入に繋がりました。
今回は、6000シリーズ導入の背景と実際の使用感について徳田氏にお話を伺いました。
Sennheiser製品との出会い

Arxiduc Audio ディレクター / チーフエンジニア 德田 時彦氏
約20年前、業務で初めてSennheiser製品を扱ったという徳田氏。当時の印象について、次のように語ります。
徳田氏「最初に使ったのは、イヤーモニターでした。当時はイヤーモニターが登場し始めた頃でしたが、とても音が良かったという印象が非常に強く残っています。それから、ワイヤレスマイクのSKM 5000も印象深いですね。」
さらに、運用面での信頼性があり、クライアントから評価が良かったといいます。
徳田氏「私のSennheiser使用歴の中で、ヒューマンエラーを除く機材トラブルで電波が落ちたことは一度もありません。ワイヤレスの接続性や電波の安定性において不安がないというのが、私がSennheiser製品に感じることのすべてです。また、以前、私が関わっているプロジェクトがワイヤレスシステムを持ち回ることができない予算規模だった頃、現地の音響様にその都度いろいろな種類のワイヤレスを用意してもらっていました。その中でSennheiserを使った時に限ってクライアントからの評価が良かったんです。」
Sennheiser Digital 6000シリーズ導入の背景

Digital 6000 シリーズ SKM 6000
徳田氏「Arxiduc Audio入社当時、Sennheiserのワイヤレスマイクはまだ導入されていませんでした。ただ、私の既存のクライアントの中にSennheiserを指定する事務所があったことから、社長に相談したうえで導入する流れになりました。6000シリーズは、受信機で周波数をスキャンできるため、追加で機材を持っていく必要がないことも選択するうえでの大きなポイントでした。」
また、マイクカプセルにMMD 935-1を選んだ理由についてはこう説明します。
徳田氏「6000シリーズは以前からよく使っていた有線マイクのe 935に近いのではと思いました。また、全体のバランスをみたときに、MMD 935-1のマイクカプセルは、この人には合うけどこの人には合わないということが少なく、合格点をとれるタレントが多いだろうと判断し、選択しました。」
Sennheiser ワイヤレスマイクの優位性
Sennheiserのワイヤレスマイクが他ブランド製品と比較して優れている点について、德田氏は次のように語ります。
徳田氏「クライアントに気に入っていただけたのは『ボーカルの音の近さ』ではないかと思います。それは、レスポンスがいいからトランジェントが明瞭にでてその分音が前に出てくるのかもしれないですし、指向性が狭くてかぶり込みがない分クリアだからなのかもしれない。複合的な要因だと思います。特にアイドルや歌物のライブでは、タレントさんの歌声がしっかり聞こえることがお客様の満足度に直結します。Sennheiserは、ボーカルを前に出すという点においてはピカイチだと感じています。だからこそ、NFLのハーフタイムショーでも、ゼンハイザーのマイクが多くのパフォーマンスで使われているのだと思います。」
6000シリーズの使用感について
ロックやアイドルをはじめ、俳優、ヒップホップアーティストなど徳田氏が担当するクライアントほぼ全てで6000シリーズを試したといいます。実際に使ってみた印象を次のように語ります。
徳田氏「思った通り、ボーカルの声が前に出て、タレントの声が大きく聞こえたので『これこれ!』と感じました。これまで長年SKM 5200を使っていて、今回SKM 6000に変わったので多少の違いはありますが、ベクトルは一緒なので思った通りでしたね。」
試してみたい運用方法
今後試してみたい運用方法について伺うと、6000シリーズのボディパック型送受信機(SK 6212)をホーン隊で使用してみたいと語ってくださいました。
徳田氏「演奏しながら踊るホーン隊の楽器に使ってみたいと考えています。ビニールテープで固定するため、なるべくコンパクトなものがいいんですよね。以前はSK 5212を使っていたのですが、それを6000シリーズのSK 6212に差し替えたときの良さを知りたいと思っています。」
Sennheiserのワイヤレスシステムに期待すること
最後に、今後のSennheiserのワイヤレスシステムに対する期待ついて、徳田氏は次のように語ります。
徳田氏「歌って踊る場面では、マイクの握りやすい太さ・軽さが重要だと感じています。特に女性アイドルの場合、グリップ部分が太すぎるとしっかり握れず、パフォーマンス中にマイクが手から飛んでいってしまうこともあるんです。」
また、2024年に発表された世界初の広帯域双方向デジタルワイヤレスエコシステム「Spectera」にも大きな期待を寄せています。
徳田氏「電波の安定性が一番。それとトラブルシュートの力ですね。例えばタレントからイヤモニが途切れたと報告を受けた際、それがオーディオの問題なのか、電波の問題なのか、それとも受信機本体の問題なのかをログで後から確認できると非常に助かります。原因を明確にできれば、次回以降のトラブルシュートやアーティスト本人へ説明する際の安心感にも繋がるのでそうした機能に期待しています。」
本番中のワイヤレス接続や電波の安定性への不安を感じさせず、ボーカルを前に出すことでは群を抜いていると徳田氏が語るSennheiserのワイヤレスマイク。今後も多くのタレントのステージを支える存在となっていくでしょう。
【Sennheiserのワイヤレスマイクはこちら】
https://arxiduc.jp/



























