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2021/03/22

フェニックス・サンズ・アリーナでL-Acousticsのサウンドが熱を帯びる

Hiroyuki Tanabe
ブログ
Ⓒ Christy Radecic

2021年3月

2021年のNBAシーズンに間に合うように、2億3,000万ドルをかけて会場をリニューアルするプロジェクトの一環として、新しいKara IIサウンドシステムが導入されました。

1992年6月にオープンして以来、様々な名前(America West Arena、US Airways Center、Talking Stick Resort Arena)で呼ばれてきたフェニックス・サンズ・アリーナは、NBAフェニックス・サンズの本拠地として使用されてきました。最近変わったのは会場のサウンドシステムです。2020年12月23日にサンズがダラス・マーベリックスに勝利して始まった2020-21 NBAシーズンに間に合うように、新しいL-Acoustics Kara IIによるスピーカーシステムが導入されました。

WJHWのAVコンサルタントが設計し、Solotechのグループ会社であるPro Sound & Videoが設置した新しいKara IIシステムは、2億3千万ドル規模の「Project 201: PHX Reimagined」の一部として導入されました。そのプロジェクトは、約30年前に建設されたアリーナを、フェニックス・サンズとWNBAフェニックス・マーキュリーのファンのための最先端のスポーツエンターテイメント施設に変えるために設計されました。

Pro Sound&Videoによると、アリーナの経営陣は、アリーナのコンコースやバックハウスエリア用の新しい分散型サウンドシステムを含む、進行中の大規模な会場改修の一環として、L-Acoustics PAシステムを具体的に要求しました。「会場の経営陣は過去に他の場所でL-Acousticsを使用して良い経験をしており、このブランドはNBAアリーナで広く受け入れられるようになりました。」とPro Soundのチームは説明します。

Phoenix Suns Arenaの新しいKara IIシステム Ⓒ Christy Radecic
 Ⓒ Christy Radecic
Phoenix Suns Arenaの新しいKara IIシステム Ⓒ Christy Radecic
 Pro Sound & VideoがインストールしたKara IIシステムはWJHWによって設計されました。Ⓒ Christy Radecic

インテグレータは、Kara IIが軽量にもかかわらず強力な出力を備えているため選択されたと指摘しています。「このプロジェクトでは、特にツアーショーで自分のサウンドシステムが持ち込まれて行われる場合、ここのシステムを引き上げて邪魔にならないようにする設計がされているため、特定の重量制限内にとどめる必要がありました。」「私たちは構造エンジニアと緊密に協力して、重量制限内に十分収まっていることを確認しました。同時に、このフェニックスサンズアリーナの座席数は18,000を超える、大きな会場で、音は座席エリアとコート全体をカバーしないといけません。Kara IIは、コンパクトで軽量であるだけでなく、そのサイズの割にとてもパワフルです。そして、その音の透明感も抜群です。」

観客の収容数は現在の安全基準に従って依然として厳しく制限されているため、空の座席エリアからの音響的な反射と残響の問題が潜在的に懸念されています。「ありがたいことに、Kara IIは非常に精密なディスパーションとスピーチで高い明瞭度を備えています。」とPro Soundチームは付け加えます。「これらはスポーツ会場の音響設計でますます重要になってきており、L-Acousticsがより多くのアリーナやスタジアムで見られる理由の一つです。」

フェニックス・サンズのエンジニアリング& A/V テクノロジー・ディレクターであるギャリー・ギレスピー(Gary Gillespie)氏は、近くのグレンデールにあるNFLアリゾナ・カージナルス・ステート・ファーム・スタジアムとNHLアリゾナ・コヨーテス・ギラリバー・アリーナに設置されたL-Acoustics システムを聞いてその意見に同意しています。「私はライブサウンドのミキサーでもあるので、L-Acousticsの経験があり、L-Acoサウンドの大ファンです。」と述べます。「しかし、私たちのチームリーダーは、Kara IIがアリーナでのスピーチにもたらす明瞭度と、L-Acoustics WSTシステムがファンの耳を疲れさせないという事実も高く評価しています。素晴らしいサウンドを提供するシステムです。」

アリーナの新しいシステムは、14台のKara IIエンクロージャーを6つのアレイで配置した、合計84台のKara IIと、各Kara IIアレイのすぐ後ろにカーディオイド構成でフライングされた4台のSB18iサブウーハーで構成されています。さらに、28台のコアキシャルX12ショートスローエンクロージャーがディレイリングとして配置されています。これらはすべて、43台のLA4Xアンプリファイド・コントローラー(メインPA用に36台、ディレイ用に7台)でドライブされており、170チャンネル以上を使用しています。そのうえ、1台のLA12Xが、中央のスコアボードの下に配置された8台のA10スピーカーをドライブしています。セルフパワードのコアキシャル108Pモニターも新しいメディア編集室に設置され、Kara IIのメインボウルシステムのレスポンスを再現し、正確なメディア再生を実現します。

フェニックスサンズの新しいサウンドシステムの設計では、当初Karaの8つのハングが必要でした。しかし、これはツアー用システムの重量負荷要件が修正されたために変更されました。昨年、オリジナルのKaraスピーカーモデルにPanflexが追加され、4つの指向性パターンが選べるKara IIが発売され、会場にとって「ゲームチェンジャー」となりました。これにより、1つのボックスであらゆる客席形状をカバーし、4つ異なる指向性パターン(左または右に、70°または110°対称および90°非対称)で正確な焦点を持つ一貫したカバレッジとSPL分布を提供することができます。Kara II は70°の指向性で、110°の指向性より2 dB高い値を提供します。そのため、Kara IIの製品仕様を変更することなく、6つのアレイでボウルのカバレッジ要件を満たすことができる設計変更が行われました。

コートフィル用の新しいA10 Ⓒ Christy Radecic
 スコアボードの下に吊られた8台のA10がコートフィルとして採用されています。Ⓒ Christy Radecic
バーチャルクラウドノイズに使用される6つのKara IIのハング Ⓒ Christy Radecic
 6台のKara IIによる6つのハングでバーチャルクラウドノイズを再生しています。Ⓒ Christy Radecic

L-Acoustics Soundvision 3Dモデリングソフトウェアを使用して、システム設計とすべての修正を迅速かつ正確に実行しました。ギレスピー氏とフェニックスサンズの経営陣は、現場での制作用機材として、柔軟に多目的に使用できる、別なイベント制作用オーディオシステムとして28台のKara IIを追加することを決定しました。

アリーナの運営に携わる者であれば誰もが、「予期せぬことがいつか起こる」ことを知っています。運命的なことに、NBAが各チームに今シーズンのクラウドノイズシステムの強化を指示した直後に、追加したKara IIエンクロージャーが非常に役に立ちました。この追加分に加えて、Clearwing Productions からレンタルした8台のエンクロージャーで、6台のKara IIで 6つのハングを構成し、FirehouseProductionsが昨シーズンのNBAの「オーランド・バブル」のために開発し、現在ほとんどのNBA会場で実施されている、仮想クラウドノイズシステム専用として使用されています。

「Kara IIのPanflexアップデートにより、クラウドノイズシステムに必要な追加のスピーカーが正確に適切なタイミングで導入することができました。」とギレスピー氏は述べています。「余分な機材が増えるだけと思っていたスピーカーで、ROI(投資対効果)がすぐに見えて、喜ばしい驚きになりました。また、現在最大3,000のファンがを入れることが許可されているため、このシステムでまるで満席になったように聞こえます。L-Acoustics、Pro Sound&Video、およびWJHWは私たちと提携して、ファンとプレーヤーの両方素晴らしい体験を提供できるように努めました。」

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