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2021/04/19

L-Acousticsの導入で バドワイザーイベントセンターのAHLコロラド・イーグルスが舞い上がる

Hiroyuki Tanabe
ブログ
2021年3月
アメリカン・ホッケー・リーグのコロラド・イーグルスの本拠地である、コロラド州ラブランドのランチイベントコンプレックスにあるBudweiser Events Center (BEC) は、7,200人収容の多目的アリーナで、アイスホッケー、バスケットボール、インドア・フットボールから、コンサート、ロデオ、ファミリーショーなどが開催されています。デンバーやシャイアン(ワイオミング州)から車で1時間弱の距離にあるBECは、3月下旬に開催された「2021 NCAA Division I Men's Ice Hockey Loveland Regional Tournament」をはじめ、年間約200のイベントが開催され、北コロラドにおけるスポーツとエンターテインメントの中心的存在となっています。

会場を所有するラリマー郡は、COVID-19の流行による休止期間を利用して、アリーナにいくつかの改修を行いました。これらの中で最も重要だったのは、デンバーを拠点とするBrown Note Productions(BNP)が設計・施工した新しいL-Acoustics Aシリーズスピーカーシステムの導入でした。

施設がオープンしてまだ16年しか経っていませんが、以前のスピーカーシステム(分散型ポイントソースのデザイン)は、BECのクライアントとお客様のニーズを満たしていませんでした。「既存システムの主な問題は、カバレッジの欠陥、明瞭度の低さ、交換部品の入手が難しくなったことでした。」と、会場を管理するSpectraのオペレーションディレクターであるトム・マニング(Tom Manning)氏は述べています。「ボウルの客席全体でデッドスポットの数が増えるにつれ、音量を均等化することが非常に困難でした。実は、スポーツやコンサートのイベント後に行った顧客満足度アンケートでは、音に対する不満が一番多かったので、システムを替える時期が来たことに間違いありませんました。」

「BECは、アリーナ全体でファン・エクスペリエンスを向上させ、すべてのイベントにインパクトのあるオーディオを提供したいと考えていました。」と、BNPのインテグレーション・ディレクターであるザック・リチャーズ(Zach Richards)氏は振り返ります。「いくつかの基本的なパフォーマンス要件と目標予算を設定しましたが、特定の製品を決めてはいませんでした。Brown Noteがこのプロジェクトの設計提案を行うことが決定したとき、予算内に収めるためには、最小限の数のスピーカーとアンプで優れた性能と出力を実現しなければならないことがわかりました。クリアで一貫性のあるオーディオを提供しながら、比較的小さなアレイクラスターで広い客席エリアをカバーできるシステムが必要だと考え、L-Acoustics Aシリーズに注目しました。L-Acousticsスポーツ会場のチームと緊密に協力して、Soundvision 3Dモデリングソフトウェアを使用し、SB18iサブウーハーと A10 Wideエンクロージャーを組みまわせたシステムを開発しました。しかも、LA12XおよびLA4Xアンプリファイド・コントローラーを使用することで、わずかの5台のアンプでシステム全体をドライブすることができます。」

3台のL-Acoustics A10 Wideによる9つのハングが配置されました。
 客席をカバーするために、スコアボードの周りに合計31台のA10 Wideが配置されています。

このプロジェクトは、ラリマー郡が新しいスピーカーシステムを設計および設置する会社を探すという完全なターンキープロジェクトとして、特別な機会となりました。BNPは、L-Acousticsチームと協力して、完全なスピーカーシステムに加えて、Q-SYSを使用システム制御、Dante ネットワーク、構造工学、補助ゾーンのアンプリングを含む詳細な設計提案を作成しました。綿密な審査の結果、BNPはL-Acoustics Aシリーズの設計に基づいたプロジェクトを落札しました。

BECの新しいスピーカーのセットアップは、合計37台のA10 Wide定曲率エンクロージャーで構成されています。ボウル席をカバーするために中央のスコアボードの周りに、3台のエンクロージャーの 9アレイと、2台のエンクロージャーの 2アレイをフライングし、さらにアイスリンクをカバーするために3台のエンクロージャーの 2アレイがスコアボードの下に取り付けられています。4台のL-Acoustics SB18iサブウーハーの 2 ハングがシステムの低域を提供し、2台のコアキシャルX12ショートスローエンクロージャーで、アリーナの最も遠いコーナーをカバーしています。

システム全体は、1台のL-Acoustics LA4Xと4台のLA12Xアンプリファイド・コントローラーによってドライブされています。これらは、アリーナの南東の隅にある放送ブースの後ろにあるクローゼットに収納されています。これらは、QSC Q-SYS Core 110Fからアナログで供給され、L-Acousticsプラグインを設定することでオペレーターがアンプを直接コントロールしモニタリングできるようになっています。。

BNPは、アグレッシブな導入スケジュールに直面しており、当初はすべての機器を搬入してから3週間以内に完了することを目標にしていました。「スピーカー、ケーブル、DSP、アンプなどの古いシステムを約4日で完全に撤去しました。」と、BNP統合プロジェクトマネージャーのマット・バウアー(Matt Bauer)氏は述べています。「そこから、2月5日のチームの最初の練習と開幕戦に備えて、氷が張られる約2週間半前に、すべての新しいケーブルを引き込み、アンプのラッキング、DSP、スピーカーを吊りこみ、音を出すことができました。氷が張られてから約2週間は一部でPAの確認ができないため、氷が入る前に信号を通過させ、PAのカバレッジを確認することが重要でした。初めてシステムを起動したときはワクワクしました。PAは、Soundvisionが予想したとおりに正確に実行し、一度も調整を行う必要はありませんでした。」

L-Acoustics Aシリーズシステムの様子
 Budweiser Events Center (BEC) at The Ranch Events Complexでは、常にアイスホッケー、バスケットボール、インドア・フットボールから、コンサート、ロデオ、ファミリーショーなどが開催されています。

自治体が所有する施設として、BECは当然ながら予算の制約を気にしながらプロジェクトを進めなければなりませんでしたが、この点でもA10システムは優れていました。「当初の設計段階では他のシステムも検討しましたが、アリーナの大きさからして、ボックス数と必要になるアンプで、すぐに予算を超えてしまうことが明らかになりました。」とリチャーズ氏は指摘します。「また、Soundvisionで、Aシリーズ(特に3台のA10 Wideによるクラスターハング)が、十分なパワーでアリーナの客席部分ををカバーできることがすぐにわかりました。L-Acousticsは、世界中の大規模なスポーツ施設で実績のあるパフォーマンスを発揮し、「スタンダード」としての地位を確立しています。コンサート品質のサウンドを低価格で実現したA10のおかげで、L-Acousticsブランドは中小規模のスポーツ施設でも威力を発揮しています。AシリーズはL-Acousticsをまったく新しいレベルの競争に導きます。」

「Brown Noteのチームも、BECのチームも、この結果にはとても満足しています。」とバウアー氏は熱く語ります。「アリーナ全体のカバレッジはシームレスであり、システムはとてもパワフルです。また、BECがハウスシステムの一部としてサブウーハーを導入することが初めてですが、帯域幅の拡張により、ゲームに大きなインパクトとエネルギーを加えることができるようになりました。」

マニング氏は同意します。「新しいL-Acousticsシステムは私たちの予算に適合し、明瞭度とカバレッジを向上させてくれます。私は最初の数ゲームで客席エリアを歩きましたが、デッドスポットはまったく見つかりませんでした。また、2つのハングの中間にいるときでも区別できませんでした。今までのシステムとは全く違うものになりました。」

BECのシステムは公開入札にかけられましたが、マニング氏は、Brown Note とL-Acousticsがプロジェクトを受注できたことを喜ばしく思っています。「Spectraが他に管理するカンザス州サリナにある会場、Tony'sPizza Events Centerには、L-Acousticsシステムが導入されていますが、彼らの経験からも非常に高い評価を得ています。さらに、L-Acousticsブランドは、大規模なツアーショーのために外部のプロダクション会社を経由して持ち込まれることが多く、多くのツアーアーティストがL-Acousticsのスピーカーを好んで使用していることがよくわかります。会場の機材を利用する機会がありましたが、毎回その品質に満足してきました。今回、自分たちのシステムを導入できたことは素晴らしいことだと思います。」

「Brown Note は、プロフェッショナルで自立しており、チームの練習のために常に変更される設置スケジュールにも対応してくれました。イーグルスのファンや他のお客様に新しいシステムを聴いてもらうのが待ち遠しいです。私たちがここBECで主催するイベントを盛り上げてくれるに違いありません。」

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