2023年5月
L-Acousticsは、ライブサウンドと音楽作成の市場を対象に、至高のイマーシブ・オーディオの包括的なプラットホーム「L-ISA 3.0」を発表しました。L-ISAプラットホームでは2016年からライブのイマーシブ・オーディオの業界、L-ISA Studioでは2021年から音楽の作成とミキシングにサービスを提供してきたL-Acousticsは、L-ISA 3.0のパワフルな新機能によって空間オーディオのテクノロジーを手に入れることをさらに簡単にします。

オーディオのプロフェッショナルたちがライブ、プロフェッショナル、コンシューマーのオーディオにおいて空間オーディオ・テクノロジーの活用を模索している中、L-ISA 3.0ミキシング・ソフトウェアは、ライブまたはスタジオで魅力ある空間オーディオのコンテンツの作成と自動化を簡素化するパワフルなツールを提供してイマーシブ・オーディオをより身近にします。

FXエンジン:空間オーディオエフェクトの作成の考え方を変える

リアルタイムでダイナミックに動作することは常にL-ISAの理念です。新しいFXエンジンは、リアクティブな動きと軌跡を自由に作成することができ、デザイナーの創造性を高めます。デザイナーおよびL-ISA環境内の他のオブジェクトに反応して、自然な動きを再現することが可能で、強力なFXエンジンには、無限にオブジェクトに適用できるカスタム可能なコントロールと振る舞いが含まれており、最もシンプルなミックスでも新しい、複雑な方法で活気に満ちたものに仕上げることができます。

ステレオ・マッパー:ステレオとイマーシブのコンテンツへの対応

L-ISAイマーシブ・オーディオ・システムと3Dミキシング能力を持つ世界中の会場が増えつつあるとはいえ、アーティストがツアーでイマーシブ型コンテンツを用意していないことは良くあることでしょう。これらのアーティストのために、L-ISA3.0の新しいステレオ・マッパー機能は、アーティストのオリジナル・ミックスを変えることなく既存のステレオ・コンテンツをイマーシブ型スピーカー構成へマッピングします。ステレオ・マッパーは、ステレオのコンテンツをL-ISA構成に分配しながら従来のL-Rアレイ構成と同様のパワー配分を維持することで、オリジナルのステレオイメージと全体のミックスを保持します。

ステレオ・マッパーは、L-ISAシステムを導入している会場にでも、アーティストがL-ISA構成を変えることなく自由にステレオ構成で演奏することを可能にします。また、ステレオ・マッパーは低域のカバレッジを会場全体で向上することができ、指向性を保持・改善しながらステレオイメージを軽減したり改善したりすることを可能にします。アウトフィルスピーカーは、ステレオまたはイマーシブのいずれかにタイムアライメントすることができ、ステレオ・コンテンツとイマーシブ・コンテンツの切り替えをシームレスに、その場で実現することができます。ステレオ・マッパーを使用している会場でパフォーマンスを行うサウンド・エンジニアとアーティストにとって、ステレオマッピングされたミックスで、空間オーディオの世界に足を踏み入れることが容易になります。この新機能により、従来のL-Rの定位を超えて1つ、または2つのサウンド・オブジェクトをより広げやすくします。ステレオ・マッパーを出発点として使用すると、完全に空間化されたミックスに段階的に移行することがこれまでより簡単になります。

スナップショット・エンジン:より正確で、よりコントロールしやすく

ラップトップとヘッドホンによる空間オーディオ・ミックスであれ、ライブプロダクションのFOHミックスであれ、L-ISA 3.0は至高のイマーシブ・オーディオの体験を作成するための最も使いやすく効率の良いプラットホームです。一新されたスナップショット・エンジンは、スナップショットに保存できるものの精度と範囲が向上し、ソース処理、ディレイ、リバーブなどの機能によって、ユーザーがどのソースをいつ表示するかを選択できるようになりました。これにより、ライブやスタジオでの空間ミックスの正確さとコントロール性が向上しました。

また、新しい編集モードでは、ユーザーは各スナップショット内のオーディオ・ソースの位置を可視化することができ、ある瞬間のサウンドスケープにおけるオブジェクトの位置を簡単に把握することができます。また、オンラインとオフラインの両方で利用できる新しいプレビュー・モードでは、異なるスナップショットにおける特定のオブジェクトの位置や、すべてのスナップショットにおけるオブジェクトの位置を可視化することができます。変更が必要な場合は、ユーザーはプレビュー・モードで作業を中断しないで調整を加えることができます。

L-ISA 3.0の新しいスナップショット・エンジンは、初心者でも経験豊富なユーザーでも簡単かつ直感的に、本当に説得力のある空間オーディオ・ミックスを実現することができます。強力なリアルタイム編集とプレビュー機能により、理想の3Dオーディオ・ミックスを作成するための空間化設定の微調整がこれまで以上に簡単になります。

L-ISAエコシステム:Mixhaloとの統合による拡張オーディオ

イマーシブ体験をさらに身近にするために、L-AcousticsはL-ISAのエコシステムを拡大しており、サードパーティーによるアプリケーションとテクノロジーをL-ISA Processor IIにインストールできるようになりました。L-ISAの優れたプロセッシング能力をネイティブに活用する最初のアプリケーションであるMixhaloは、ライブイベントでファンのために高忠実度の拡張オーディオを解放する超低レイテンシーのネットワーキング・テクノロジーで、現在L-ISA 3.0 プラットホームに完全統合されています。

Mixhaloは、オーディエンスがスマホとヘッドホンを使ってマルチチャンネルのオーディオ・ストリーミングを提供します。ファンはコンサートにいながらフルバンドミックスや、好きな楽器のミックスを中心に、スタジオ・レコーディングに近い音質を楽しむことができ、また、L-ISA Processorによるバイノーラルミックスを利用することもできます。サッカーの試合では、ユーザーは会場のラジオ放送や好きなタレントの放送を聴くことができます。会議では、同時通訳による基調講演を低レイテンシーでPAとダイナミックに同期したものを聴くことができます。MixhaloとL-ISA Processor IIを組み合わせることで、ショーのデザイナーはMixhalo拡張オーディオを直接プロセッサーからネイティブにコントロールして、スマートホンへ直接ストリームを送信することが可能です。5月からL-AcousticsとMixhaloは 一部の公認プロバイダーを対象に、パブリック・ベータ・フェーズを実施しています。

「Apple Music、Tidal、Amazon Musicなどのコンシューマーオーディオプラットフォームが空間オーディオをより普及させつつある中、イマーシブによるプロダクションやパフォーマンスの提供は必要不可欠となっており、 知識や形式を問わず利用しやすくなっています。」とL-Acousticsプロダクト・マネージメント、ソフトウェア、エレクトロニクス部長のスコット・サグデン(Scott Sugden)は語ります。「新しいL-ISA 3.0プラットホームは、会場で使用した場合でも、コンテンツを作成した場合でも、イマーシブ・テクノロジーのプラットホームの価値を高めます。

L-ISA 3.0の様々な新機能に加え、L-ISA Studioデスクトップ・プロセッサーの出力は12から16に増え、出先でのサウンドデザイナーにイマーシブ型サウンド・コンテンツの選択肢をより多く提供します。

L-ISA 3.0は、InfoCommブースNo.5751(2階)とChapin TheaterのデモルームNo.W320(3階)にて展示されます。

L-ISA 3.0の機能は現在利用可能です。L-Acoustics.comにアクセスしてL-ISA Studioを無料でダウンロードしてください。

L-ISA 3.0が発表されたL-Acousticsのキーノートは、こちらからご覧ください。