世界的に知られる米国の音楽メディア「Billboard」の名を冠した「Billboard Live」は、都心と大阪に3店舗を構え、一流の料理と国内外のトップアーティストによる質の高いライブパフォーマンスを楽しめるライブハウスです。

3店舗のうち、大阪の梅田からエンタテインメントを発信しているBillboard Live OSAKAのサウンドシステムが2025年3月に刷新され、L-Acoustics K3を中心とする最新システムが導入されました。


メイン K3×12、サブウーハー KS21×6

Billboard Live OSAKAの音響システム更新は約7年ぶり2回目となります。これまでのシステムでは、カバレッジや低音に関する課題があり、PAブースへ届く音もより良いバランスを切望されていました。そして、そのシステムが生産完了となっていたこともあり、いよいよ音響更新のプロジェクトが始まりました。

今回の音響更新プロジェクトで中心的な役割を担われた、ビルボード事業本部 企画・制作部の柴崎 正弘氏と奥野 拓朗氏のお二人に、L-Acoustics K3導入の経緯とその効果についてお話を伺いました。

左:ビルボード事業本部 企画・制作部 ブッキングプロデューサー 兼 事業推進部 シナジードライブグループ 柴崎 正弘氏
右:ビルボード事業本部 企画・制作部 アーティストリレーションズ プロダクションマネージャー 奥野 拓朗氏


アウトフィル A10 FOCUS×2、A10 WIDE×4

お二人がスピーカー選定のため、2022年のInter BEE「INTER BEE EXPERIENCE X-Speaker SRスピーカー体験デモ」で様々なスピーカーの音を聴き比べられたところ、L-Acoustics K3の音の良さが印象に残ったそうです。

K3が比較的新しい製品であったことも採用の大きな決め手となりました。柴崎氏は「他の会社から様々な提案をいただきましたが、これから10年は使っていくことを考えると、新しいスピーカーが良いと考えました」とお話しくださいました。

その他、海外から招聘するアーティストのライダー(アーティストの要求事項をまとめた書類)を見ると、FOHのスピーカー候補にL-Acousticsが必ず入っていたことなど、様々な要素が合致し、K3の導入が決定されました。

センターフィル X8×2 ステージ前端トラスに設置

また、お二人はそれぞれ前職で音響の現場に携わられており、L-Acoustics製品を使った経験がありました。

柴崎氏「素直な音という印象で、初めて使ったときもスムーズに扱えました。」
奥野氏「乗り込みのPAとしてKARAを使いました。その現場は決して音響特性に優れているとは言えませんでしたが、クリアなハイとタイトなローでPAはしやすかった記憶があります。」
お二人はこう当時の印象を振り返ってくださいました。

アンプリファイドコントローラー LA12X×4、LA4X×3

K3の導入が決まり、2025年3月10日(月)に更新工事が始まりました。フライングのための天井金具は従来のものが流用でき、その他スムーズに作業は進み、わずか2日間で工事が完了。3日目となる2025年3月12日(水)の夜には、K3を一般のお客様に披露するイベント『THE BRAND NEW SOUND LISTENING PARTY』が開催されました。

『THE BRAND NEW SOUND LISTENING PARTY』は、亀田誠治氏、野崎良太氏、Chaki Zulu氏といった日本が世界に誇るトップクラスのサウンドプロデューサーをスペシャルゲストにお迎えし、K3の音を一般のお客様にいち早く体感していただく目的で催されました。

パーティーは無料ということもありましたが、ゲストが豪華で最新の音響システムが体感できるという、音楽ファンにはたまらないイベントということで、満席の賑わいで華々しいK3のお披露目となりました。

当日の模様。べステックオーディオスタッフによるプレゼンテーションも行われました。

柴崎氏は「K3を導入したライブハウスとしてBillboard Live OSAKAは関西初となります。これは話題になると考え、実施しました」と企画の意図を説明してくださいました。

ゲストにこの3名が選ばれたことについては、「3名とも実績のあるミュージシャンであり、トラックメーカーやプロデューサーとしても評価されている方です。この3名ならおもしろいことをやってくれると思いました。」とのこと。ロック~ポップス~ジャズ~エレクトロニック~ヒップホップなど、幅広いジャンルでの活躍によって、若年から大人まで幅広い世代が納得するゲストだったのではないでしょうか。

この幅広い音楽性のゲストと、K3で刷新されたサウンドシステムとの関係性を奥野氏はこう語ってくださいました。

奥野氏「Billboard Liveでは、これまで以上に幅広い層のお客様に来ていただきたいと考えています。そのためには様々なジャンルのアーティストに出演していただくことが必要ですが、そのようなアーティストに出演していただくためにはL-Acoustics K3が不可欠だと感じました。Billboard Liveにはアーティストはもちろん、エンジニアさんも著名な方がいらっしゃいますので、最高のシステムでお迎えしたいのです。」

この日のイベントは、ゲストから「また三人でここに戻ってきたい」という言葉も飛び出し、大盛況で終えることができたとのことです。

ゲスト3名のセッション音源も聴けるTHE BRAND NEW SOUND LISTENING PARTYレポートはこちら

最後にK3を導入された感想を柴崎氏と奥野氏、そしてBillboard Live OSAKAのPAチームの方に伺いました。

奥野氏「以前と比べて音がクリアでタイトになりました。課題となっていた低音もしっかりと再生されるようになっています。これらを含め、様々なことが改善されたことが嬉しいです。そのおかげでアーティストの演奏のニュアンスがより鮮明に伝わるようになっていると思います。例えばピアノの一音やドラムのタムのバランスまで如実に表現されています。更新してよかったと実感しています。」

柴崎氏「これまで音が十分に届ききっていない箇所もあったのですが、改修後はカバーエリアが広がり、どこにいても同じ品質の音が届けられています。低音、特にサブベース感も豊かに再生できるようになりました。ミッドからハイの立ち上がりも良いので、聴こえやすいのに耳に負担がかかりません。お客様も喜んでいらっしゃると思います。ホールスタッフからも『店の隅々まで音が良くなった』という感想をいただきました。」

PAチーム サンフォニックス大阪 左:田中彩華氏 右:水田彩香氏

サンフォニックス大阪 田中彩華氏、水田彩香氏「L-Acousticsへの吊り変えにより、音響性能が全体的に向上しました。
具体的には、低音域が強化され、音圧が上昇しています。K3はスピーカー単体でもしっかりとした低音が再生され、さらにスーパーサブウーファーを追加したことで、余裕のある低音再生が可能となりました。その結果、音の明瞭度が向上し、ボーカルなどの中高音域もよりクリアに聴こえるようになりました。音の届き方も改善され、ブースまでしっかりと音が届き、中央の中抜けも少なくなり、前列でも声が明確に届くようになりました。
さらに、ゲストオペレーターからも「やりやすくなった」との声が多く聞かれ、全体的な安心感が高まっています。」


奥野氏が語ってくださった通り、Billboard Live全店ではこれまでのジャズやR&Bといったジャンル以外にもポップスやロックの公演も増えてきており、中には音源のオケでパフォーマンスをするアーティストもいます。

L-Acousticsシステムによって得られた音の明瞭さと、サブベースまでタイトに伸びる音域はあらゆるジャンルの音楽の魅力を余すことなく表現でき、改善されたカバレッジは観客の誰一人取り残すことなくアーティストの思いを伝えることができるようになりました。

新しい客層に響く新しい企画とブッキング。それをL-Acousticsのパワフルで柔軟なサウンドシステムが可能にします。ここからBillboard Live OSAKAの新たな挑戦が始まります。

Billboard Live OSAKA
〒530-0001 大阪市北区梅田2丁目2番22号 ハービスPLAZA ENT B2
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