今月の製品ストーリー:Soundvision Connectが変革するコラボレーション型サウンドデザイン

サウンドデザインは感情表現という目に見えないアーキテクチャーです。コンサートを記憶に変え、空間を体験へと変える力を持っています。L-Acousticsでは、サウンドシステムデザインはパフォーマンスと同様に、コラボレーションと創造性が求められると考えています。そこで開発したのが Soundvision Connectです。Soundvision Connectは、Soundvisionのデザインを共有し、Webブラウザから直接操作できるクラウドベースのコラボレーションプラットフォームです。
Soundvisionは、デザイナーが空間内での音の挙動をシミュレーションできる、業界をリードする予測型サウンドマッピング・ソフトウェアです。そしてSoundvision Connectは、すべての関係者がシミュレーションに参加し、設計オプションを検討し、議論に参加できるインタラクティブな3D環境を提供します。
予測が参加型に
Soundvisionは、サウンドシステム・デザイナーに、スピーカーが設置される前に音響的挙動を可視化できる機能を提供します。建築的要素を考慮し、SPLの分布を算出し、スピーカー配置を高精度に最適化することができます。Soundvision Connectは、予測データを共有体験に変換することで、この機能をさらに拡張します。
デザイナー、コンサルタント、建築家、クライアントは、Soundvisionファイルをリアルタイムで操作しながら検討することができます。直感的な3D表示やSPLマップにより、会場全体の音響カバレッジがどのように機能するか、そして設計上の決定がリスナーの体験にどのような影響を与えるかを容易に理解できます。このような共同レビュー・プロセスによって、あらゆる計画段階で明確性と整合性がもたらされます。
コラボレーションを促進する主な機能
Soundvision Connectは、サウンドシステムデザインの透明性、双方向性、包括性を高めるために設計されています。その中核機能は、スムーズなチームワークと的確な意思決定を支援します。
- クラウドベースのアクセス
チームはどこからでもSoundvisionファイルにアクセスでき、場所や時間帯を超えて作業の継続性を確保します。ユーザーはどのブラウザからでも、空間内を探索・ナビゲートすることが可能です。 - インタラクティブな3Dの会場可視化
スピーカー配置やカバレッジゾーンを含む詳細な会場モデルにより、関係者が空間的な影響を視覚的に把握できます。 - 高解像度データ表示
SPLマップやカバレッジゾーンが高精細に表示され、チームが細部まで確認しながら確信をもって意思決定を行うことができます。 - SPLマッピング レビュー
会場全体への音の分布を検証し、カバレッジ目標に対する共通理解を形成できます。 - バージョン管理と設計反復
設計のバリエーションを比較したり、以前の設定を参照したりすることで、柔軟な開発プロセスを支援します。 - 安全な共有とアクセス権限管理
プロジェクトオーナーがアクセスレベルを管理し、機密データを保護しながら有意義なコラボレーションを可能にします。
これらの機能が組み合わさることで、Soundvision ConnectはSoundvisionを補完する強力なパートナーとなり、技術データを共同による対話の場へと変革します。





サウンドデザインのための共通言語
優れたサウンドシステムデザインとは、精密さだけでなく、心に響く体験を創り出すことです。従来、サウンドシステムデザインは専門的な分野であり、データを読み解き、判断するには高度な技術的知識が必要でした。Soundvision Connectはその隔たりを埋め、複雑なシミュレーションを直感的に理解できるビジュアル体験へと変換します。技術、クリエイティブ、運用といったあらゆる立場の関係者が、設計プロセスに主体的に関わることができます。
Soundvision Connectは、Soundvisionから得られる知見を関係者全員にアクセス可能で実用的なものにし、多様な視点を議論に取り入れることで、成果をより豊かなものにします。
建築家は、音響が空間レイアウトとどのように調和するかを把握できます。クライアントは、カバレッジマップが観客体験とどのように関連しているかを理解できます。制作チームは、計画と実行における明確な見通しを得ることができます。サウンドデザイナーは、より多くの情報を通して、協力的なチームから恩恵を受けます。
この共有された理解が、より強固なコラボレーションを育み、すべての関係者がプロジェクトの目標に向けて足並みを揃えることを可能にします。
コラボレーション型サウンドシステムデザインにおける新たなスタンダード
Soundvision Connectは、コラボレーションを中心に据え、シームレスなコミュニケーションを実現する音響計画の新しい基準を提示します。それは専門知識に取って代わるものではなく、共有された洞察と創造的な対話によって専門性を高めるツールです。
Soundvisionの予測機能をチーム全体で共有するとで、Soundvision Connectは技術的な計画を創造的なパートナーシップへと変革します。設計プロセスは透明性が高く、誰もが参加でき、空間全体のビジョンと調和したものになります。
これは、新しい働き方を可能にする新しいツールです。それは、今日の多分野が交わる世界において、サウンドデザインがどのように進化しているかを反映しています。

チームはどこからでも高解像度のSoundvisionファイルにアクセスでき、場所や時間帯を超えて作業の継続性を確保します。ユーザーはどのブラウザからでも、空間内を探索・ナビゲートすることが可能です。
いつまでも心に残る体験を創造する
L-Acousticsでは、ライブサウンドやサウンドシステムデザインを、人々の心を動かし、瞬間を形づくり、空間に生命を吹き込む芸術と捉えています。Soundvision Connectは、アイデアの交換、洗練、そしてコラボレーションを通して実現する、芸術を共通のキャンバスへと変化させます。Soundvision Connectは、参加し、貢献し、共に創造するためのツールを提供します。この取り組みが評価され、Soundvision Connectは2025年の「Pro AV Best in Market Awards」で、Sound & Video ContractorとSystems Contractor Newsの両誌から受賞するという快挙を成し遂げました。
卓越したサウンドは空間を満たすだけでなく、人々をつなぎます。Soundvision Connectによって、その一体感は、最初の音が鳴る前から始まっているのです。
よくある質問(FAQ)
1. サウンドデザインとサウンドシステムデザインの違いは何ですか?
- サウンドデザインとは、作品全体の印象を高め、魅力的で没入感のある体験を生み出すために、あらゆる音響要素を創作・操作・統合する包括的なプロセスです。台詞やナレーション、実在・架空を問わない多様な効果音、そして音楽の活用までを含みます。
- サウンドシステムデザインとは、特定の会場や用途において、観客に対して明瞭で均一な音を届けるために、機器を選定・構成・最適化するプロセスです。会場の音響特性や観客のニーズを分析し、適切なスピーカー、マイク、アンプを選び、それらの配置と向きを決定します。また、モデリングや解析ツールを用いて、音のカバレッジ、音圧、明瞭度などの性能目標を達成するよう設計します。
2. SoundvisionとSoundvision Connectの違いは何ですか?
- L-Acoustics Soundvisionは、L-Acousticsスピーカーを会場の 3D モデル上に配置して、サウンドシステムを設計・可視化・最適化するためのプロフェッショナル向けリアルタイム3D音響シミュレーションソフトウェアです。音圧レベル(SPL)や到達時間の分布を算出・表示し、設置前に最適なカバレッジとパフォーマンスを得るためにスピーカーを正確に配置するのに役立ちます。さらに、3Dレンダリングやデータをリアルタイムで共有できるコラボレーション機能を備えており、設計プロセスを効率化し、透明性を高めます。
- L-Acoustics Soundvision Connectは、L-Acoustics Soundvisionで作成されたサウンドシステムデザインをWeb ブラウザ上で共有・検討できるクラウドベースのプラットフォームです。デザイナー、建築家、コンサルタント、クライアント間のプロジェクトにおいて、シームレスでインタラクティブな3Dコラボレーションが可能になります。Soundvision Connectは、インタラクティブな3D環境とリアルなビジュアルへのアクセスを提供することで、特別なソフトウェアをインストールすることなく、共有された直感的なエクスペリエンスを提供することで、コミュニケーションの簡素化、承認プロセスの効率化、そしてプロジェクトチームの連携を実現します。