株式会社TBSラジオ 様 『アフター6ジャンクション』 MIDAS M32R-LIVE 運用レポート


TBSラジオ経営企画局技術部江口様より、「遠隔地におけるライブ演奏のリモートミックス」ついて、 昨年よりご愛用いただいている MIDAS M32R-LIVEの特別な使用方法をレポートいただきました。

コロナウィルス感染症の影響で、収録なども制限される状況の中、様々な工夫で番組が制作されています。

ライムスター宇多丸氏がメイン・パーソナリティを担当するTBSラジオの人気番組『アフター6ジャンクション』(略して「アトロク」)の19時台のコーナー「ミュージックゾーン・LIVE&DIRECT」では様々なアーティストによるスタジオライブ(生演奏)が行われてきました。

この度の感染症対策として、出演アーティストと、スタッフとの接触を出来るだけ少なくするという観点から、2020年5月19日の放送において、都内の遠隔地スタジオでの生演奏を、赤坂のTBS本社(技術倉庫)からリモートミックスするという試みが行われました。

当初は、3密にならない環境を作る為、技術スタッフが現場に行かない形で考えていました。しかしそれだと制作スタッフがミックスを担当するので、「アーティスト一人、弾き語りのみ」など、対応可能な範囲が限られてしまいます。そこで、より楽しく、盛り上がる企画に出来ないか?と考え、今回のリモートミックス・システムの構築を考えたそうです。



演奏会場(都内某所にあるスタジオ)に設置したMIDASのM32R-LIVEを、一般公衆回線を利用したネットワーク(VPN接続)経由でコントロールして、リモートミックスにチャレンジしていただきました。

ミックスを担当された江口様は、PCにインストールされたソフトウェアー「M32EDIT」から遠隔地の「M32R-LIVE」をリモートコントロールし、ハモニカ、フィドル(ヴァイオリン)、ギターによるインストバンド「ハモニカクリームズ」のライブミックスを実施。(もちろん、生演奏、生放送です。)
また、生放送用のミックスに加え、FOOTモニターの調整もリモートで行いました。

アーティストも、オーディエンスがいないスタジオでのライブに戸惑っている様子も伺えましたが、逆に生ライブらしさが感じられる放送となりました。

本番終了後、江口様より「M32EDITのUserレイヤー機能は大変便利です。このスタジオの運用(制作スタッフがマイクセッティングを担当)だと、使用するCHにVox1、Vox2…、INST1、INST2…、DI1、DI2…のように固定で名前を付けておき、PC上のUserレイヤーに使用するフェーダーだけを抽出する。これならば現場スタッフも迷わないですし、オペレート側も見やすいし、コントロールしやすい。」とのご感想をいただきました。

また、「もっとスムーズなオペレーションをしたい」とのご意見もいただきましたが、「M32EDIT」はUSB接続された外部フィジカルコントローラーからの操作にも対応しますので、後日フェーダーユニットを追加していただき、さらに快適なリモートオペレーションが可能となりました。

ちなみに緊急事態宣言を受けてから、メイン・パーソナリティの宇多丸氏はTBS社外から、パートナーのアナウンサーはTBS本社スタジオから、というリモート放送となっています。

2020年5月19日はさらに、ライブ演奏は遠隔地から、そしてライブのミックスは本社リモートルームから行うというマルチリモート・スタイルで放送されました。

今後、新しい生活様式も検討が必要とされる中で、リモートミックスという考え方も色々な手法が試されていくと思います。今回はその一つの方法として、遠隔地のMIDAS M32R-LIVE をPCからリモートする方法についてご紹介させていただきました。

レポートしてくださいました江口様、ありがとうございました。


TBSラジオ 「アフター6ジャンクション」
https://www.tbsradio.jp/a6j/

MIDAS M32R-LIVE

M32C (1Uの本体)と、DL32DL16 (ステージボックス)を組み合わせれば、出先を19インチラックで構築することも可能です。

MIDAS M32C