5時間に及ぶ、スターが勢ぞろいした コンサートイベントで、K1 / K2はパワフルで細密なサウンドを提供

2019年1月

2019年1月16日にロサンゼルスのフォーラム・アリーナで開催されたチャリティーコンサート「I Am the Highway: A Tribute to Chris Cornell」に、多くのスターが集結しました。5時間に及んだコンサートの最後は、コーネルが率いた3つのバンド「Soundgarden」「Temple of the Dog」そして「Audioslave」のメンバーによって構成され、「Metallica」「Foo Fighters」「The Melvins」などによるパフォーマンスをフィーチャしました。ジミー・キンメル主催のこのコンサートでは、ジャック・ブラック、ブラッド・ピット、ブランディ・カーライル、フィオナ・アップル、ジョシュ・オム、マイリー・サイラス、アダム・レヴィン、クリス・ステープルトン、ジギー・マーリーなど、大勢のゲストが集まりました。彼らは、うつ病に苦しみ、2017年5月に自ら命を絶ってしまった最愛のミュージシャンに敬意を表しました。

Rat Soundは、このイベントに参加するよう依頼されたことを光栄に思いました。同社は、1990年にDanzigとSoundgardenのツアーにさかのぼるほど バンドとの長い経験を持っています。カリフォルニア州カマリロに本社を置くRat Sound Systemsのアカウントマネージャ、Tom Worley氏は、次のように述べています。「L-Acoustics K1 / K2ラインアレイ、 KS28サブシステム、5台のDiGiCo、2台のAvidミキシングコンソールとAvidマルチトラックレコーディングを備えたシステムを、Rat Soundは15人のクルーメンバーでセットアップし、オンサイトリハーサルおよびショーのために、3日にわたって会場で作業を行いました。「それは慈善事業の特別なイベントでしたが、それに参加することにぞくぞくしました」とWorley氏は言いました。

L-Acoustics PAは、各側にメインハングとして12台のK1の下に6台のK2、サイドハングとして8台のK1の下に4台のK2で構成されました。さらに、満席となった18,000人のアリーナに、片側あたり13台のK2がハングされ270度までカバレッジを提供しました。Rat Soundはまた、片側9台のKS28サブウーハーをカーディオイド構成でフライングし、20台のKS28サブシステムをグラウンドスタックしました。8台のARCS IIと8台のKaraキャビネットがフロントフィルを提供しました。


ターンテーブルのステージで演奏するメインバンドの転換をしている間、ステージの張り出で、アコースティック・アンサンブルやソリストが演奏するスペースが作られました。張り出しのリップに沿ってL-Acoustics X15 HiQウェッジがいくつか配置され、それがすべてのアコースティック演奏をサポートしました。

メインステージの両側のサイドフィルは2台のARCS IIと1台のKS28サブウーハーで構成されました。「効果的でありながら目立たないので、プロモーターはそれが気に入っています」とWorley氏は言います。

2016年のTemple of the Dogの再結成ツアーのミキシングを担当した、長年にわたりパールジャムのFOHミキサーを務めているGreg Nelsonが、SoundgardenとTemple of the DogのパフォーマンスをDiGiCo SD5でミックスし、もう一台ののSD5で両方のバンドのモニターをミックスしました。「ゲストアーティストのためにSD-RackからSD9にMADIスプリットを使用しました」とWorleyは言います。「すべてのゲストボーカリスト、ギタリストまたはインストゥルメンタリストとして登場したすべてのゲストのインイヤーセットとウェッジはSD9によってミキシングされました。」

パフォーマンスの間に演奏された、アコースティックの演目と、ホストマイクやビデオセグメントなどのプロダクションからの素材は、FOHとステージのDiGiCo SD12コンソールによってミキシングされました。「イベントのハイライトの一つは、コーネルのDead WishesとSoundgardenのFell on Black Daysを、ライアン・アダムスがアコーステックギター、ドン・ウォズがアコースティックベースで、何人かの弦楽器奏者と共に演奏したところでした」とWorley氏は指摘します。

SoundgardenのSpoonmanで終わった5曲セットで、ショーを開始したThe Melvins、Audioslave、並びにFoo Fightersのデイブ・グロール、Metallicaのロバート・トゥルージロ、Black Sabbathのギーザ―・バトラー、Jane’s Addictionのクリス・チェイニーおよびペリー・ファレルのようなゲストは、FOHのAvid Profileを介して演奏しました。もう一台のProfileはモニターのために使用されました。

 
 

Worley氏は、Rat Soundが最近フェスティバルなどの大規模イベントに採用するようになったOutlineのNewtonマルチソース、マルチフォーマットオーディオプロセッサおよびマトリックスミキサーを使用して、複雑なシステムの信号をルーティングしました。「私たちは、安定していて優れたサウンドを提供でき、非常にシンプルで使いやすいものを探していました。」

このイベントでは全体的に、マイク、バックラインおよびIEM用に100以上のワイヤレスチャンネルを使用しました。スペア、テック、プロダクションの連絡回線を含むいくつかは、夜間に共有周波数で使用されました。「Jason GlassがRFコーディネーターを行い、問題は一切ありませんでした。」

Rat Soundはコンサート全体のオーディオも録音しており、それに合計42曲が含まれています。「私たちは、Pro Toolsとの有用性のため、マルチトラックレコーディングにAvid VENUE S6Lデスクを使用しました。4台のAvid Stage 64 I/Oラックは、それぞれのモニターのそばに設置され、アナログスプリットを提供しました。必要に応じてステージラックを選択し、プロダクションルームの各デスクからメインの冗長AVBストリームを得ました。」とWorley氏は説明します。


イベントは、ピーター・フランプトン、テイラー・モンセン、マーカス・デュラント、トム・モレロ、ウェイン・クレイマー、テイラー・ホーキンス、バズ・オズボーンなど、様々なゲスト・アーティストと演奏したSoundgardenのパフォーマンスで幕を閉じました。コーネルがツアー中に亡くなって以来、初めてSoundgardenの残ったメンバーギタリストのキム・テイル、ベース奏者のベン・シェパード、ドラマーのマット・キャメロンが公の場で共演しました。Black Hole Sunの終わりに、テイルとシェパードは、激しくて長いフィードバックを発生させ、最後にコーネルをエモーショナルに見送りました。それは彼らがステージを離れた後もずっと鳴り響いていました。

コンサートの収益は、世界中の恵まれない子供たちを保護し、サポートするためにシンガーと妻によって設立されたクリス&ヴィッキー・コーネル基金 (Chris and Vicky Cornell Foundation)と、表皮水疱症研究基金 (Epidermolysis Bullosa Medical Research Foundation) に寄付されました。