業界標準のK2システムがウェストロンドンの新しい多目的会場に導入され、最適な柔軟性を提供しツアーの要求に対応

2021年2月

最近オープンしたExhibition London イベントスペースは、ロンドンのホワイトシティの中心部に位置し、ロンドンでも有数のショッピングスポットであるウェストフィールド・ロンドンにあります。この多目的会場は、1899年に建てられ、グレード2に指定された見事な建物にあり、元々はセントラル・ロンドン鉄道の機関庫として使用されていました。このスペースの全面的な改修は、繊細な建築物の修復と21世紀のテクノロジーを融合させたものです。そのテクノロジーはL-AcousticsのKシリーズのスピーカーシステムを採用しており、新しいスペースを主要な音楽会場と文化的なハブとして確立するのに役立ちます。

この会場は、Printworks London、The Drumsheds、Depot Mayfield、L-Acousticsのサウンドシステムも導入されているMagazine Londonを運営するUnibail-Rodamco-WestfieldとBroadwick Liveのコラボレーションベンチャーです。MagazineとExhibitionの両方のオーディオシステムは、Simon Jones Technical Production Management(SJ-TPM Ltd)のサイモン・ジョーンズ(Simon Jones)氏が、HD Pro Audioの補助と統合、そしてL-Acousticsの設計サポートを受け設計しました。

2階建て、総面積1,271m2のExhibition London は、1階のホワイエと、企業イベントや小規模な会議のブレイクアウトエリアとしても利用できるレセプションエリアがあります。ホワイエから1階のステージエリアに直接アクセスできます。ここでは、オリジナルの高い天井、露出した屋根の構造、磨かれたコンクリートの床、真ちゅうの仕上げ、装飾的な照明が、ミュージックライブと企業イベントの両方に素晴らしい環境を作り出しています。

当初のプロジェクトの概要では企業のイベントを重視しており、ジョーンズ氏は会場のニーズを満たすためにKaraに注目しました。しかし、プロジェクトが進行するにつれて音楽が優先されるようになり、よりラージフォーマットのK2が本格的な選択肢となりました。「1階は3,000人収容の多目的スペースで、現在は音楽に重点を置いていますが、企業のイベントにも適した、ライダーに適応性の高いPAが必要でした。」とジョーンズ氏は述べています。「本格的なロックには十分な強さを持ちながら、スピーチでは十分に繊細なL/Rシステムとディレイが必要でした。」

「K2を選択した大きな理由は、ツアーリングエンジニアの要求を満たし、業界標準のシステムを提供することです。バンドがハウスシステムを使わないはずはありませんでした。」とHD Proのアンディー・ハファー(Andy Huffer)氏は付け加えます。


1階には、片側9台のK2が配置されており、ステージ正面に沿って5組のKS28サブウーハーがグラウンドスタックされています。HD Proがカスタムマウントを製作したフロントフィル用のKS28の上にA10 Focusが載っています。サイドフィルは2台のA15と2台のKS21のスタックが対応しており、必要に応じて12台のX15コアキシャルウェッジスピーカーをステージモニターに使用できます。A15の2組は、部屋の半分の位置から追加のディレイ/フィルとしてフライングされています。

「メインPAは空間全体をカバーすることができますが、企業のスピーチ用途では、これらのフィルを使うことにより、部屋の奥を刺激することなく、より詳細な情報を得ることができます。」とハファー氏は説明します。「これは、ボーカルの明瞭さに不可欠です。」

ホワイエの長方形の空間には、フルレンジ、高SPL、プレミアム音質、優れた繊細さを持つコンパクトX8が選ばれました。8台のX8は、部屋の両側に4台ずつ、均等なカバレージを提供するために内側に向けて設置されています。より多くの低域が必要な場合は、4台のポータブルSB15サブウーハーを追加することができます。SB15がどの柱の根元にも配置できるように、ケーブルはこのエリアの等間隔の鉄骨柱全体に設置されています。


アンプとコントロールは、1階とホワイエに1台ずつ設置された2台のP1 AVBプロセッサーと、K2用に9台のLA12Xアンプリファイド・コントローラー、A15用に1台のLA4X、残りのシステム用に13台のLA4Xとモニター用のポータブルラックで構成されています。

「主な課題は、ここがタイル張りのビクトリア朝の建物であるため、反射率が非常に高いことでした。」とハファー氏は述べます。「特に1階には、幅広い光沢のある面がたくさんあります。いくつか音響ドレープが使用されていますが、美しいタイルをすべて隠したくありませんでした。K2は可変指向性を備えているため、システムを最適化し、音が壁を避け観客に集中するようにすることができました。これは、クレーンの梁から吊ることができる完全なグリッドシステムと組み合わせて使用することで、より多くのリギングオプションを提供してくれました。」

プロジェクトの計画段階で設計をサポートするだけでなく、L-Acousticsの設備担当アプリケーションエンジニアのジェフ・ウッドフォード(Jeff Woodford)氏は、現場での音響測定と電気的な最適化を行い、Exhibitionにとって最高のパフォーマンスを発揮できるようにサウンドシステムの調整を行いました。

システムの最適な柔軟性も考慮して、32ビットカードを備えたSDラックとDラックを備えたSD11iを共有するDanteカードとOptocoreを備えた2台のDiGiCo SD12コンソールをコントロールパッケージとして提供しています。「これらは業界標準でもあり、会場でアーティストが演奏したくなる場所にしています。」とジョーンズ氏は指摘します。

システムの柔軟性に加えて、包括的なファイバーネットワークがFOHとモニターシステムで接続され、オーディオが任意のエリア間でやり取りできるようにしています。このネットワークによって、必要に応じてDiGiCoコンソールを別の場所に移動させることもできます。「会場全体に音量などを制御するためのシンプルなタッチスクリーンパネルを設置しました。」とハファー氏は述べます。「例えばライブ音楽用のスタンドアローンシステムから、誰かの携帯電話からBGMを配信するシステムへと、素早く簡単に変更することができるということです。」

「HD ProとL-Acousticsはどちらも、プロジェクトへの設計、サポート、および取り組みにおいて模範的な対応をしたくれました。」とジョーンズ氏は付け加えます。「システムは本当に素晴らしいです。私はたくさんのPAシステムを経験しましたが、ここでK2がいかに優れているかに驚いていました。私の期待を上回り、見た目も良いです。それはExhibition Londonのような環境では非常に重要な条件です。」

「Exhibition LondonでL-Acousticsと仕事ができて素晴らしかったです。設置されたK2システムはあらゆる面で優れており、この美しいビクトリア朝の会場で行われる様々なイベントに最大限の柔軟性を発揮してくれます。」とBroadwick Live常務取締役のブラドリー・トンプソン(Bradley Thompson)氏は締めくくります。

Andy Huffer & Simon Jones