2018年2月

イングランドのインディーロックバンドalt-Jは、最新のアルバム「Relaxer」ツアーを2017年6月に開始して、今年2月までヨーロッパ、北米、アジアを巡りました。バンドのオーディオシステムはRat Sound Systemsによって提供された、一貫性の高いL‑Acoustics Kシリーズ・リグ で構成されていました。

Rat Soundは2015年からずっとalt-Jのワールドワイドコンサートのオーディオシステムプロバイダをしています。2年前からalt-Jと一緒にツアーをしてきたFOHエンジニアのLance Reynolds、モニターエンジニアのBrett Heet、システムエンジニアのTom Worleyは、ミュンヘンのOlympiahalle、チューリッヒ のHallenstadionの様な大規模な会場や、コロラド州のRed Rocks Amphitheaterのような野外会場の経験が多いエンジニアです。

「なぜL-Acousticsを使用しているかというと、音が一番良いからです」とReynolds氏は言いました。「Kシリーズのスピーカーは、毎日一貫したサウンドが出て、他のシステムと比べてEQはそれほど使う必要はありません。しかも、他のスピーカーでは、こんな深みと明瞭度はあまり得られないのです。」

全システムは、6台のK2と一緒にフライングされた12台のK1のメインハングと、さらに180度のオーディエンスをカバーするために追加の6台のK1と6台のK2がサイドハングとして構成されていました。様々な会場のコンフィギュレーションに合わせて、サイドハングから移動して使用することができ、Rat Soundチームの役に立っていました。4台のKaraはセンターフィルとしてフライングされて、ステージの真ん前にいる「コアなファンたち」に一貫したカバレッジを提供していました。

Rat Soundがalt-JのツアーでKS28サブを使用したのは今回が初めてでした。18台のKS28は、主にグラウンドスタックされ、2.5メートル間隔で9つスタックに分けられていました。 必要に応じてフライングされたこともあり、優れた結果をもたらしました。

KS28のリギングは作業効率が改善されており、LA12Xアンプリファイドコントローラでドライブされることで、このようなショーが求めるパワーを提供しています。」と、Worley氏は説明しました。「たとえば、Red Rocksでは、片側9台のKS28をフライングして、垂直方向によりスムーズなカバレッジを提供し、近距離と遠距離の低域レスポンスを改善しました。」

「様々な会場で、システムから同じサウンドを得るのはとても難しいことです。」とWorley氏は加えて述べました。「L‑Acousticsの3Dアコースティック・シミュレータSoundvisionとLA12XのリモートコントロールシステムLA Network Managerの進歩で、目的の一貫性を達成できました。ツアーシステムを保存していたルームデーターに落とし込んで、当日デザインを編集することができたので、時間と労力が節約ができました。また、舞台と照明のデザインも3Dルームデータに書き込んでいたので、視角の問題をチェックすることができたということでプロモータが喜んでいました。」

「SoundvisionとLA Network Managerは優れたツールです。」と、Reynolds氏は同意しました。「このツールの存在も、L-Acousticsを採用する理由の1つです。正直言って、このツールとTomの知識の組み合わせで、毎回大成功しています。」

alt‑Jは、今年の春にアメリカツアーを始めて、6月15日ニューヨーク、クイーンズのForestHills Stadiumで、初めてL-ISAイマーシブ・オーディオシステムを使用します。 この特別なイベントは、席の位置を問わず、すべての観客にコンサートを楽しんでいただくために、全会場(アリーナ・スタンドの両方とも)の入場料金が同じ金額になります。