2018年11月
シアトル出身のバンドは5年ぶりに最初の「Home Shows」を主催し、ホームレスを助けるために1,100万ドル近く集めました。その後、Rat SoundのL-Acoustics K1システムで、ミズーラ、シカゴ、ボストンのスタジアムでショーを行いソールドアウトになりました。

30以上の曲とパフォーマンスごとに変わるセットリストで3時間のショーを演奏するPearl Jamは、観客の期待を一切裏切らないバンドとして知られています。しかし、バンドの最新のスタジアムツアーからもっとも恩恵を得たのは、シアトルのホームレスたちでした。5年ぶりの地元シアトルでのコンサート、Safeco Fieldで開催され売り切れた2つの「Home Shows」に続いて、Pearl Jamはキング郡の様々なホームレス関連の慈善組織とサービスプロバイダーにチケットと商品販売の売り上げから868,189ドルを寄付しました。さらに、シアトルタイムズによれば、この寄付の影響は他の組織からの迅速な慈善寄付を誘い、最終的には1,080万ドルを集めることができました。

今年の春に南米とヨーロッパで開催されたツアーに続き、Pearl Jamの2つのシアトルショーは、3つの都市の主要なスポーツ会場(ミズーラにあるモンタナ大学のWashington-Grizzly Stadium、シカゴのWrigley Field、ボストンのFenway Park)で5日間にわたり開催された「Away Shows」のツアーのキックオフとなりました。バンドの長年のツアーリングSRプロバイダー Rat Sound Systemsは、その人気のアーティストのショーのためにL-Acousticsスピーカーシステムを提供しました。

Rat SoundとPearl Jamとの関係は、バンドのデビューアルバム『Ten』(1991)にさかのぼり、Ratの他の長年のクライアントであるRed Hot Chili Peppersとほぼ同時に始まりました。それ以来、同社はバンドの主なライブプロダクションプロバイダーとして活躍してきました。Greg Nelsonは、バンドがV-DOSCシステムをツアーで初めて使用した2004年以来、Pearl JamのFOHエンジニアを務めています。バンドは2010年にK1リグに変えて以来、最近のツアーを含めてずっと使用しています。

「K1は、EQを調整しなくても非常に心地よい、暖かいサウンドを出します。」と、新規の32ビット入力カードを搭載したDiGiCo SD5コンソールでショーのミキシングを行ったNelson氏は語ります。「あちこちでいくつかのマイナーな調整が必要なのかもしれませんが、全体的にそのシステムで最高のミックスを仕上げるのがとても簡単です。L-AcousticsのLA Network Managerソフトウェアもその理由の一つでもあります。それはFOHと最前列で得られる結果を最上段の観客席にも提供できる、うまくレイアウトされた使いやすいツールとなります。」

米国の屋外スタジアムで開催されたショーの標準的なセットアップは、16台のK1と6台のK2ダウンフィルによるLRのメインアレイと、2つの同一のアウトフィルアレイで構成されました。低域は、2つのメインアレイの隣にカーディオイド構成でフライングされた8台のKS28サブウーファーの2つのハングによって提供され、4台ごとにカーディオイド構成で配置された40台のKS28のグラウンドスタックに補強されました。サブウーファーの上に2~3台ごとにスタックされたKaraと、K1のメインハングの下に配置された4台のARCS IIの水平アレイはフロントフィルとして使用されました。サイドフィルとして、各側に4台のK2がフライングされ、12台のK2による4つのアレイがディレイを提供しました。

「ツアー全体で、ほぼ同じPAシステムを使用しました。」とNelson氏は言います。「違ったのは、モンタナ大学のスタジアムはサッカースタジアムなので、垂直方向指向性が望ましかったです。そのため、サイドハングを小さめにしました。また、WrigleyとFenwayには、ディレイタワーではなく、一番下のアンダーバルコニーをカバーした5~6台のK2のカートを使用しました。」

メジャーリーグの野球場は、忠実度の高いコンサートを楽しむのに理想的だとは言えないかもしれませんが、FOHエンジニアは、Rat Soundのシステムが手際よく処理したと指摘しました。「大小を問わず、どの会場でも克服しなければならない独自の課題を持っていますが、K1とK2がもたらす柔軟性に非常に満足しています。繰り返しになりますが、LA Network ManagerSoundvisionなどのツールを使用することで、サイズやジオメトリに関係なく、あらゆる場所で真に一貫したカバレッジを提供することができます。」

Nelson氏は、システム・エンジニア Andrew Gilchrestと協力して各スタジアムのSoundvisionデザインを設計しました。「例えば、私はボックスとサブの数と定位、そしてフロントフィルのカバレッジを含めて、標準的な野球スタジアムのためのドラフト設計をしていました。」とNelson氏は説明します。「その後、Andrewさんはその微調整を行い、システムを最適化していました。また、サブウーファーのグラウンドスタック構成を設計したのも彼でした。」

「サブと言えば、KS28は単純に最強です…すごすぎる!アリーナでは、サブの数をかなり減らしました。サウンドがとても深く、30-40Hzの低域幅は以前よりも存在感が強いです。」

また、Nelson氏はL-Acousticsチームへの感謝の気持ちも表しました。「L-Acousticsがそのユーザーに提供するサポートは最高です。質問や懸念があった時、いつでも電話をかけられる人がたくさんいます。彼らは反応が早く、システム・ユーザーに対しては本当に気を遣っています。」