マウント・パラン教会は、L-ISAテクノロジーを導入した世界初の礼拝所となりました。

2020年5月
DiversifiedはL-Acoustics Aシリーズを基本としたシステムの設計と施工を行い、礼拝所に魅力的な体験を提供。

半世紀以上も前から、ジョージア州アトランタのマウント・パラン教会は、13000人を超える信徒の増加と、理想的な奉仕の結果を福音派の世界から称賛されています。実際、80年代後半に「2つの場所に1つの教会」というコンセプトを打ち出したのは、この信仰の共同体ですが、現在では多くの礼拝所の特徴となっている複数のサテライト・キャンパスの基礎を築きました。そのため、マウント・パランがメッセージの伝達手段として利用する技術に前向きな考えを持ち、L-ISAハイパーリアル・サウンド・テクノロジーによるスピーカー・システムを導入する世界初の礼拝所としてその名を知らしめたことは驚くべきことではありません。

「良い音は今日の教会において最も重要な要素の一つであり、礼拝空間全体を通して一貫した、魅力的なオーディオを実現することは、信徒が体験を共有するために非常に重要な使命です。」と、プロジェクトを実施したテクノロジー・ソリューション・プロバイダーであるDiversifiedのハウス・オブ・ワーシップ・ストラテジック・アカウント・ディレクターのティム・コーダー(Tim Corder)氏は述べています。「マウント・パランのメイン会場にあった以前のスピーカー・システムは、何年も前に設置されてもので、古くなるにつれて、コンポーネントが故障し、不安定なカバレッジが発生し始めました。信徒にとって非常に不快な崇拝体験になっていました。」

Diversifiedは当初、マウント・パランの新しいスピーカー・システムに従来のL-Rアレイを基本としたデザインを検討していましたが、ステージの両側に大型のLEDスクリーンがあるため、最適なカバレッジを提供するために必要なアレイの長さが、バルコニー席からの視線の問題を引き起こすことになりました。さらに、教会は美観と予算的な理由から、会場の印象的な建築様式への変更を最小限に抑えたいと考えていました。

「スクリーンの前のスペースが限られているため、システムのSPLを垂直方向でなく、水平方向に分散できる L-ISAデザインを選択しました。これにより、照明や映像設備の視認性の問題を引き起こさないように、スピーカーのハングをコンパクトに保ちながら、必要なSPLとカバレッジを達成することができました。」と、Diversifiedアカウント・エグゼクティブ兼オーディオ・リードのニック・ガイガー(Nick Geiger)氏は述べます。

完璧なタイミングで、L-Acousticsはちょうど、ミディアムスローの定曲率Aシリーズを発表したばかりで、その新製品はすぐにこのプロジェクトに理想的だと判断しました。「特にA15は、L-ISAをマウント・パランにとって実行可能で実用的、かつ予算的にも有利な選択肢となりました。」とコーダー氏は述べます。「私たちは7アレイのAシリーズによるフロントシステムを設計しましたが、全体的な価格は従来のL-RによるPAデザインとほぼ変わらず、忠実度と視線の課題を満たすことができました。」

昨年末に設置されたマウント・パラン教会の新しいスピーカー・システムは、シーン・システムとしてステージの前面に均等に広がるL-Acoustics Aシリーズエンクロージャ4台(2台のA15 Focusと2台のA15 Wide)ずつによる5つのアレイで構成されており、2台のA15 Wideに2台のA15 Focusによる2つのアレイを拡張システムとして使用しています。2台のA15 Wideによる2つのハングは、左右前方の客席エリアにアウトフィルを提供し、舞台奥に向いてステージ上に配置された2台のA15 Wideは、約150名の聖歌隊席にモニターを提供します。紗幕で隠されシーン・システム後ろの中央に配置された4台のKS28サブウーハーは、会場全体に十分なローエンドを提供します。

フロントフィルには、ステージリップに配置された6台のショートスローX8エンクロージャーが使用され、4台のコンパクトな5XTシステムが説教のモニタリングのためにステージ中央に配置されています。さらに、2台のA15と8台のARCS Focusシステムがキャットウォーク周りのディレイとしてバルコニー上部をカバーし、4台のKiva IIがアンダーバルコニーのアウトフィルとして機能しています。1台のLA12Xと13台のLA4Xアンプリファイド・コントローラーの組み合わせがスピーカー・システム全体のプロセッシングとドライブを行い、L-ISAコントローラーとL-ISAプロセッサーの組み合わせが教会の新しいパノラマ式オブジェクトベース・ミキシングへのアプローチを容易にしています。

FOHのDiGiCo SD12とL-ISAコントローラー

また、Diversifiedはマウント・パランのFOHに新しいDiGiCo SD12コンソールを設置しました。このコンソールはDesk Link経由でL-ISAに接続されており、すべてのソース・コントロールをデスク・サーフェス上でネイティブに行うことができ、エンジニアは既存のワークフローに統合された形でL-ISAにアクセスすることができます。

「L-ISAは、礼拝所にとって素晴らしいツールになります。」とガイガー氏は熱く語ります。「観客としては、舞台上で起きていることを部屋に座っているような感覚で見たいとは思いません。マウント・パランには大規模な聖歌隊、オーケストラ、賛美チームがありますが、L-ISAを使用することで、会場のどの席に座っても、彼らの音に包まれ、まるで自分がその一部であるかのように感じることができます。

新システムのオーディオイメージング機能により、非常に自然な音のバイノーラル方式のリスニング体験が得られると、コーダー氏は同意し付け加えています。「聖歌隊の左側でソロが演奏している場合、それが左側から来ていると感じます。」 「ヴォーカルのイントロで、音が左、右、中央のセクションの間でずらしているのを聴いたことがありますが、その定位感は本当に感じられます。すごいです!まるで聖歌隊そのまま聴いているかのように感じるので、PAを聴いていることを忘れてしまうほどです。こんな経験は初めてです。」

マウント・パラン教会の礼拝堂に、Aシリーズによる7つのハングがシーン・システムと拡張システムを提供します。

マウント・パラン教会のテクニカルディレクターであるデビッド・メンドーサ(David Mendoza)氏によると、明瞭度は教会が新しいシステムで改善しようとしていた重要なポイントの一つでしたが、L-Acousticsはそれ以上を実現してくれました。「私たちは、信徒全員が聖歌隊によって歌われている一つ一つの歌詞、牧師によって話されている一つ一つの言葉を理解できるようにしたかったのです。」と述べます。「L-ISAを初めて聴いたとき、本当に驚きました。ワクワクしてしまいました。至る所にクリアなサウンドを得ただけでなく、各オブジェクトの配置や存在感を技術チームがコントロールできるのは、驚くべきことです。 奥行、幅、上下感など多くのパラメータを創造的にコントロールできることで、ここマウント・パランでの礼拝体験の中で気が散ることを最小限に抑え、ステージ上で起こっていることをより身近に感じられるようにできました。」

「私たちDiversifiedは、業界にインパクトを与えている新技術の最前線にいることを誇りに思っています。」とコーダー氏は続けます。「この技術とスピーカー・システムが信徒に与える影響を理解するには、礼拝中に会場に集まった数千人の一人としてL-ISAを実際に体験しなければなりません。言葉では言い表せません。それは文字通りパラダイムを変えるレベルで感動的です。」