L-Acoustics K2、Kara II、Kiva IIは、Terhalに比類のない没入型オーディオ体験を提供します。

2023年6月
Dragoneの最新作『Terhal』は、サウジアラビアの豊かな文化を称えるオリジナル没入型のショーです。このスペクタクルは、サウジアラビアの活気ある文化に敬意を表し、サウジアラビア王国の人々と遺産が未来を形作る上で果たす重要な役割を探ります。『Terhal』は、サウジアラビアの伝統芸術や舞踊とともに、アクロバット、スタント、空中パフォーマンス、そして魅惑的な特殊効果を特徴としています。この見事なプロダクションをさらに盛り上げるため、DragoneはL-Acoustics L-ISAイマーシブ・ハイパーリアル・サウンド・テクノロジーを採用し、魅惑的なビジュアルを補完する没入感のあるサウンド体験を実現しました。

公演は短期的なものにもかかわらず、各公演が思い出深いものとなるよう、会場は『Terhal』のために特別に建設されました。限られた時間内に新しい会場で大規模なプロダクションを実現することは、サウンド・デザイナーのセバスチャン・ハモンド(Sebastian Hammond)氏、L-ISAエンジニアのアドリアン・ファン・デル・ヴァルト(Adriaan van der Walt)氏、ミックス・エンジニアのアンディ・ツァン(Andy Tsang)氏を含むサウンド・チームにとって大きな挑戦でした。

2020年ドバイ万博の開閉会式やDragoneのLa Perleのような注目を集めるプロジェクトでL-ISA Spatial Audioを使用して没入型のある音響体験を作り上げてきたハモンド氏は、Dragoneのショーは観客の体験の限界に挑戦することで知られていると説明します。

左図:L-Acoustis Kシリーズ・スピーカーが、Dragoneによる最新の没入型プロダクション『Terhal』で採用されました。
右図:L-Acoustics L-ISA テクノロジー: L-Acoustics L-ISAテクノロジー: FOHから見た『Terhal』没入型オーディオ体験。

「短期的なショーでしたが、イマーシブ型のサウンド・デザインのディテールとライブサウンド・テクノロジーを活かして、観客に完璧なレジデンシャル・シアター体験を届けたいと思いました。」 最初のデザインとコラボレーションの段階で、パフォーマンス・スペースのデザインの可能性を最大限に引き出すことが重要でした。「L-AcousticsとL-ISAは、最初から私の計画の一部でした。観客をパフォーマンスに没入させ、優れた明瞭度、奥行き、ダイナミクスを提供するために必要なツールを提供してくれました。」とハモンド氏は続けます。

ハモンド氏は、このショーがプリプロダクションやクリエイティブなプロセスの中で何度も変更されることを予想していました。そのため、柔軟性の高いサウンドデザインが必要でした。「私の使命は、会場とパフォーマンス・スペースに対して最高のデザインを創り出すことでした。Dragoneが提供するプロダクションのスタイルを念頭に置き、自分のこれまでの経験をもとに、技術的な面でもクリエイティブな面でもフレキシブルなデザインを仕上げる必要があると考えました。」

「『Terhal』のサウンド・デザインを共有したとき、L-Acousticsのチームから、新しいL-ISA 3.0を試してみないかと誘われました。新しいリリースでは、反応性のある動きや軌跡を可能にするFXエンジンや、オブジェクト間の有機的な相互作用のためのカスタマイズ可能なコントロールなど、機能が驚くほど更新されたので、その誘いを受けました。FXエンジンでは、ステージ上のアクションに合わせて動くダイナミックなサウンドスケープを作成でき、サスペンスあふれるエキサイティングな雰囲気を作り出して、観客をハラハラドキドキさせることができます。さらに、Dragoneの没入型ショーの世界に生命を吹き込む、繊細なディテールと空間効果も追加できます。これらの機能強化により、『Terhal』の没入型オーディオ体験が大幅に向上し、創造的なコンセプトをさらに高めることができます。」とハモンド氏は続けます。

中央ステージは、Kara IIとKiva IIの組み合わせで構成されています。

L-ISA エンジニア、アドリアアン・ファン・デル・ヴァルト氏も同意します。「私にとって際立っていたのは、ルームエンジンルームエンジンが会場の実際のアコーステック以上にサウンドスケープをうまく変えたことです。ミックスに別の次元が加わり、深みがより多く感じられました。そして新しいFXエンジンの助けを借りて、軌道を追跡するように自動化することができます。各オブジェクトは、シーンごとにプログラムされた軌跡をたどります。「アンディ・ツァンさんと一緒に、すぐにQuantum 7とL-ISA間のワークフローを確立し、この複雑なショーのプログラミングを効率化しました。DiGiCoでL-ISAコントロールを可能にするDeskLink機能は、観客を囲むようにマッピングしたいオブジェクトやグループを特定するのに役立ちました。それらが適切な場所に配置されると、ツァンさんは各オブジェクトの奥行きを簡単に調整することができました。その後、オブジェクトはルームエンジンに送信され、それらをブレンドしたり、エフェクトをかけたりすることができました。」

会場自体がまだ建設中だったため、音響チームはドバイのプロダクション施設でメインの中央トラスシステムをセットアップする機会を得ました。これにより、チームはリギングやケーブル配線に事前に対処することができ、リヤドでの時間を効率的に使うことができました。

重量制限を重要な考慮事項として、ハモンド氏はL-Acoustics K2、Kara II、Kiva IIの組み合わせを選択しました。中央のパフォーマンスエリアのほぼ360°に広がる客席エリアをカバーするメインシステムは、10のKiva IIによるメインアレイで構成され、K2による2つのアレイと4台のKara IIによる4つのアレイで補完されました。そして28台のKS28が低域拡張とサウンド・エフェクトを提供しています。ステージリップに沿って設置された18台の5XTは空間フロントフィルを提供し、20台のSyvaはサラウンドシステムとして壁面に設置されました。システムは、地元のL-Acoustics公認パートナーであるClair Global社によって供給・設置されました。「このプロジェクトを実現させるためには、信頼できる経験豊富なチームのサポートが不可欠でした。Clair Globalが没入型サウンドとコミュニケーション・デザインの提供と運用を担当してくれたことは非常に幸運でした。」とハモンド氏は語ります。

「『Terhal』で最も衝撃的な瞬間のひとつは、巨大で激しい砂嵐のシーンで、あらゆる意味で五感に刺激を与えました。」と振り返ります。「音楽、サウンド・エフェクト、照明、映像のすべてが一体となって、衝撃的で忘れがたい体験が生まれ、L-ISAが私たちをより高いレベルに引き上げてくれました。これはL-ISAテクノロジーのスリリングな導入となり、数々のイメージングの可能性を与えてくれました。」

ハモンド氏はさらに、どのようにしてL-ISAを使ってショーをよりインパクトのあるものにしたかについて、次のように語っています。「サウンド・エフェクトと音楽要素の両方を組み込んだ空間体験を作成することに集中しました。チームと一緒に、サラウンドシステム内でL-ISA 3.0のルームエンジン、イメージング、移動の能力をフルに活用することができました。」

Dragoneは常に技術の限界を押し上げていますが、『Terhal』も例外ではありません。クリエイティブ・チーム全体が一体となって忘れられないシーンを作り上げました。ハモンド氏は、L-ISAテクノロジーが没入感をもたらす上で非常に重要だったと感じています。「このサウンド・デザインをとても誇りに思います。このシステムの適応性と、音響、照明、映像の革新的な応用とのダイナミックな融合は、ストーリーの爽快感を完璧に捉え、印象深い没入型のパフォーマンスをもたらしました。結果は、息をのむような印象的な体験となり、各分野のパイオニア同士のコラボレーションの創造的な可能性を証明しました。」

左図:客席から見たL-Acoustics K2サウンドシステムの中央ステージ。
右図:客席から見たL-Acousticsサウンドシステムのシアタービュー。