2023年6月
2008年に復活したシンガポールグランプリは、F1シーズン初のナイトレースです 。毎年開催されるこのイベントは、世界有数のエリート・ドライバーたちと熱狂的なモーター・レース・ファンがダウンタウンのマリーナ・ベイ・ストリート・サーキットで集まる場として知られています。近代的な高層ビルと植民地時代の建築物から生まれる、シンガポール独特の雰囲気の中で、地元や旅行中のレースファンが10年以上にわたって毎年集まっています。

このグランプリでは、世界中のレースファンや音楽愛好家を惹きつけるため、ワールドクラスのエンターテインメント・プログラムが用意されています。グリーン・デイ、デュア・リパ、ジャスティン・ビーバー、ジェイ・チョウ、ケイティ・ペリー、マルーン5を含むAリスト・アーティストや東南アジアのトップアーティストが夜のメインステージを華やかに演出し、日中は家族向けのエンターテインメントやアクティビティがサーキット全体に展開されています。

シンガポールGPの運営は、最高のエンターテインメント水準を提供するために業界をリードするテクノロジーを求めており、そのためにL-Acoustics公認レンタル・プロバイダーであるCSP Productions Pte Ltdが活躍しています。CSPは第1回開催以来、グランプリの音響・照明パートナーとして、パダン・ステージという野外の会場で最大50,000人の聴衆のために音響システムを設計しています。また、CSPはAリスト・アーティストの大規模なコンサートに加えて、注目度の高い国内・国際のイベントや世界首脳会議、カンファレンスなどのサポート実績も持っています。


1993年に設立されたCSP Productionsは、アジアで最初にL-Acoustics V-DOSCシステムを導入した制作会社の一つであり、2008年から2014年までグランプリでそのシステムを使用していました。定期的に最新技術を取り入れるCSPは、2015年にL-Acoustics K1システムを導入しました。CSP Productionsのマネージング・ディレクターであるケニー・ヘン(Kenny Heng)氏は、「シンガポールGPのコンサートがますます人気を集めるにつれ、CSPのテクニカル・サービスに対するグランプリの信頼が毎回高まってきました。2015年にKシリーズを購入したとき、この最高にパワフルなロングスローシステムが、世界最大のポップスターやバンドを集めるコンサートのスタンダードになると確信していました。F1コンサートも例外ではありません。」と語っています。

CSPは毎年、300 x 120メートルの広大なオープンフィールドでクラシックポップ、ロック、ヒップホップなど様々な音楽を再生できるオーディオシステムを設計しています。高温多湿の熱帯気候の中で大型PAを会場の芝生フィールドに導入することは課題でしたが、L-AcousticsのAPACアプリケーションエンジニアと協力し、L-Acoustics Soundvisionモデリングソフトウェアを使用してシンガポールグランプリに最適なデザインを実現しました。これにより、他のステージやVIPエリアへの音漏れを防ぐことができました。

システムは、片側12台のL-Acoustics K1ボックスの上に6台のK2で構成されています。サイドフィルアレイも同じ構成で、ステージ両側のスタンド席を完璧にカバーします。低域は40台のL-Acoustics SB28サブウーハーから提供されます。さらに、左右のウィングには、片側10台のL-Acoustics V-DOSCと12台のSB18がディレイを提供しています。全体のシステムは10台のLA8と16台のLA12Xアンプリファイド・コントローラーで駆動されています。

Kシリーズ・システムは毎年コンサートの観客にパワーと明瞭さを提供し、アーティストのマネージメント・チームにはツアー・レベルの信頼性の高いリグでパフォーマンスが行われるという確信を持たせています。

ヘン氏は、「K1とSoundvisionやLA Network Managerのようなソフトウェアの資産によって、このショーの計画、展開、実行をほぼ一瞬のうちに手間なく行うことができます。L-Acousticsの包括的なオーディオソリューションは、このチーム、全てのクライアントとパートナー、そしてSGPコンサートの来場者に、毎年期待できる素晴らしいショーを約束します。」と語っています。

L-AcousticsとCSPは、2008年の初開催から2022年の最新開催まで、シンガポールグランプリのテクニカル・ディレクターであった故ピーター・ロー氏を、懐かしんでいます。