2019年9月

L-Acoustics創立35年の記念日に、Audio Engineering Society (AES) Dr. Christian Heil Future of Sound奨学金制度の設立を発表できることを誇りに思います。AESのメンバーとなっているオーディオエンジニアリングを学ぶ大学院生に毎年5,000ドルが提供される、「Dr. Christian Heil Future of Sound」奨学金は、サウンドの未来を形作ることに興味と献身を示す学生に授与されます。この奨学金は、マギル大学音楽院でレコーディングの分野で修士号を取得しているベン・クリールマン氏に初めて賞与されました。

設立以来、教育活動はL-Acousticsの使命の中心となっています。L-Acousticsは、エンドユーザーに高い付加価値のトレーニングプログラムを開発するリーダーとして、世界中のL-Acousticsシステムの高い品質を保っています。「プロフェッショナル・オーディオの業界は大きく進化していますが、それに貢献できたことを誇りに思っています」とクリスチャン・ヘイル氏は述べました。「この奨学金を通じて、業界を前進させ続ける若い才能をサポートすることができて光栄です。」

L-Acousticsの始まりは、粒子物理学の博士号を取得したへイル氏がピンク・フロイドのコンサートに行き、サウンドプロフェッショナル向けの実用的なソリューションを開発し完成させることで、ライブイベント業界に貢献しようと決心した1977年にまでさかのぼります。

2001年、ヘイル氏は、ニューヨークで開催された第111回AESコンベンションで「ウェーブフロント・スカルプチャー・テクノロジー」(WST)の 論文を発表しました。光回折と波面伝搬を音響に応用することで、サウンドソースの適切なカップリングの基準を確立しました。外部の人の概念を音響へ応用したヘイル氏の能力は、業界を科学で根本的に変える歴史的な進歩を可能にしました。結果として得られるラインソースアレイは、スピーカーを積み上げた重く電力を大量に消費する「スピーカーの壁」というアプローチに代わる、コンパクトで、軽く、コスト効果の高い手段で、優れたスロー、指向性の精度、高明瞭度を実現することができます。ラインアレイテクノロジーは業界の標準となり、その普及により、ライブイベント業界は今日の大規模なアリーナツアーやライブミュージックフェスティバルへと進化しました。

今日、物理学に確固たる基盤を持つ企業としてL-Acoustics は従業員の24 %をR&D 専任とし、学術的分野にしっかりと取り組んでいます。電気音響学への先駆的なアプローチは、心理音響学、機械学と自動化、エレクトロニクス、ソフトウェア開発、教育を専門とするチームよって構成されています。

クリスチャン・ヘイル氏の創造的で先駆的な革新が業界を形作ったという事実に基づいて、「Dr. Christian Heil Future of Sound」奨学金は、慣習に疑問を投げかけたり、オーディオの範疇に無い科学的知識を要求するアプローチを持つ学生を援助します。学際的な思考と交流を深め、最新技術をさらに高めるために、オーディオ以外の分野で修士課程を履修した学生からの応募を歓迎しています。

「L-AcousticsはAESに長年関係しており、音響学および音響強化に関する技術委員会(Technical Committee on Acoustics and Sound Reinforcement)の積極的なメンバーとして定期的に尽力しています。論文を発表し、コンベンションでのチュートリアルおよびワークショップセッションでも貢献しています。」と、L-Acousticsのサイエンス・アウトリーチ担当ディレクタ、エティエンヌ・コルティール氏は語ります。「この新しい奨学金を設立することは、AESおよび業界の進化に対する継続的な取り組みの証です。」

「AESとL-Acousticsはコアバリューを共有しています」とAES Educational Foundationの会長であるDon Puluse氏は締めくくりました。「『Dr. Christian Heil Future of Sound』奨学金の発足は、今後数年間サウンド業界に貢献する若い才能を育成するという私たちのコミットメントを強調します。」