ブルーノ・マーズ「The Romantic Tour」、Dodd Stadium(ジョージア州アトランタ)- 撮影ⒸDiwang Valdez

2026年5月
5月21日、L-AcousticsはLシリーズの新たなフラグシップ製品となる「L1」と、コンパニオンとなるカーディオイドサブウーハー「CS1」を発表しました。特許取得済みのプログレッシブ・ウルトラデンス・ライン・ソース(PULS)技術を採用したL1は、既に世界有数の会場でスタジアム向けサウンドシステムの新たな絶対基準を確立しています。

L1は、Clair Globalが担当するブルーノ・マーズの北米を巡る「The Romantic Tour」、Solotechによるハリー・スタイルズの「Together, Together Tour」、MRTによるアジアを巡るジョーカー・シュエの「King of Beasts万獣之王」、そしてClair Globalの傘下にあるBritannia Rowが担当しているBrit Awardsで使用されています。CS1は、RAT Soundによるコーチェラ・フェスティバルと、Unreal Systems/AgorAによるウルトラ・ミュージック・フェスティバルのメインステージで低域を担いました。

ハリウッドボウルは、L1およびCS1の初の常設設備となります。L1システムとともにL-Acousticsの新しいオーディオ・プロセシング・プラットフォーム「Source Intelligence」が発表された2026年のL-Acoustics基調講演が行われたこの名高い会場のために、ホワイト仕上げが選ばれました。イベントでは、The War on Drugsによるパフォーマンスが披露されました。

L1はラインアレイシステムのパフォーマンスベンチマークを塗り替える

前世代のラージ・フォーマット・システムが段階的な進展を促したのに対し、L1システムは効率化したフォームファクターでトランスデューサーの高密度化を飛躍的に実現しています。各エンクロージャーは、フロントエネルギーとリアリジェクションを実現するために、サイドマウントされた18インチのロー・カーディオイド(LC)・トランスデューサーを2つ、フロントマウントされた15インチのLFドライバーを4つと、8インチのMFドライバーを8つ備えています。さらに、4インチドライバーと2.5インチHFコンプレッションドライバーを同軸配置したコアキシャルドライバーを6つ搭載しています。この新しい高域同軸構成により、SPLとロングスロー性能が向上しています。

結果として、1台のエンクロージャーは、160dBの最大SPLを達成し、35Hzから20kHzの帯域にわたって動作します。サイズ、重量、面積あたりでクラス最高のSPLを実現します。L1Dはワイドな垂直指向性を持ち、ニアフィルドエリアで60度の垂直カバレッジパターンにより最大155dBのSPLを達成します。

「L1はラインアレイの歴史において、これまでで最も高度な迫力、帯域幅、パターン制御を達成しました。」とラウドスピーカー部門プロダクト・マネージメント・ディレクターのジェルマン・シモン(Germain Simon)は語ります。「PULSの可能性を最大限に活用した結果、ラージ・フォーマットのラインアレイのパフォーマンスベンチマークを打ち破りました。L1は、音響業界における転換点と言えるでしょう。」

Bruno Mars at Bobby Dodd Stadium, Atlanta during The Romantic TourPhoto: Diwang Valdez

 

Bruno Mars at Bobby Dodd Stadium, Atlanta during The Romantic Tour

ブルーノ・マーズ「The Romantic Tour」、Dodd Stadium(ジョージア州アトランタ)- 撮影ⒸDiwang Valdez

L1とCS1の統合型カーディオイドテクノロジーにより、ノイズ管理を刷新する

都会で行われる大規模なイベント、複数のステージを持つフェスティバルやノイズが問題な会場にとって、低域のスピルが最も厄介な課題のひとつです。L1システムは設計の段階からこの課題を克服します。

サイドマウントされた18インチのLCトランスデューサーはL-Acousticsの特許済みのLFアーキテクチャーを構成し、20~250Hzで最大18dB、80Hz以下で26dBのリアリジェクションを実現しています。LFエネルギーは観客に集中し、スピーカー後方への音漏れは根本から低減されています。サウンドデザイナーは、最大のリアリジェクションのためにカーディオイド、もしくはサイドへ拡張されたリジェクションのためにスーパーカーディオイドの構成から選べます。

CS1は、同じ原理をサブベース帯域にも適用しています。カーディオイド構成で配置された4つの21インチのトランスデューサーを搭載したCS1は、最大150dBのSPLで25Hzまで低域を拡張します。コーチェラ・フェスティバルやウルトラ・ミュージック・フェスティバルのように、隣接ステージ間の干渉が常に課題となる環境において、CS1は求められるパワーとインパクトを提供しながら、会場全体の音響的整合性を維持します。

Bruno Mars at Bobby Dodd Stadium, Atlanta during The Romantic Tour

 

Bruno Mars at Bobby Dodd Stadium, Atlanta during The Romantic Tour

ブルーノ・マーズ「The Romantic Tour」、Dodd Stadium(ジョージア州アトランタ)- 撮影ⒸDiwang Valdez

新世代のAutofilterアルゴリズムは、その制御性を三次元へと拡張します。L-Acoustics Soundvisionソフトウェア上で動作するAutofilterは、L1アレイのLFビームを形成し、同等の出力を持つ従来の長尺サウンドシステムを上回る低域制御を実現します。20Hzまで対応しながら、追加レイテンシーは発生しません。操作はシンプルで、標準ワークフロー上のワンクリックで適用可能。結果として、会場全体でトーナルバランスの安定性が向上し、前後方向の低域の広がりを大幅に抑制します。

水平指向性は、1台当たり2つのPanflexモジュールによって確保され、70°/90°対称と80°非対称のカバレッジパターンを実現します。L1Dはニアフィールドカバレッジのために、110°/70°対称と90°非対称まで水平指向性を拡張します。垂直制御は、L1のあらかじめ設計されたプログレッシブ形状により、ロングスローのフェスティバルフォーマットの0.8°と、アリーナと複雑なオーディエンス形状に対応する5°のエレメント間カップリングが可能です。

Bruno Mars at Bobby Dodd Stadium, Atlanta during The Romantic Tour

 

Bruno Mars at Bobby Dodd Stadium, Atlanta during The Romantic Tour

ブルーノ・マーズ「The Romantic Tour」、Dodd Stadium(ジョージア州アトランタ)- 撮影ⒸDiwang Valdez

L1システムで、展開が3倍素早く

ツアーリングプロダクションにとって、吊りこみ作業などの実用的な面は、音響性能と同様に重要ではないでしょうか。2台のCS1、4台のL1と1台のL1Dによるアレイ構成は、21台のK1による従来のアレイと同等の性能を発揮しながら、リギング作業を66%削減し、リフト回数やケーブルの配線も減らします。また、フットプリントが比較的小さいため、ステージや映像設備などとシームレスに統合できます。重量も同様に大幅に削減されます。5台のエンクロージャーは15台分の役割を果たし、約20%の荷重を削減します。4台のL1と1台のL1Dは約1263㎏で、同等の性能を持つK1アレイは15台で1590㎏となります。

「オートロックのリギングシステムは、外部ピンを一切使いません。1本のSC32ケーブルでアンプリファイド・コントローラーを各スピーカーと接続できます。各L1エンクロージャーは、専用のLA7.16アンプリファイド・コントローラーによって駆動されます。1台あたり16のアンプチャンネルを割り当てることで、Autofilterとカーディオイド管理は各エレメント単位の解像度で動作できます。LA7.16はMilan-AVB対応のLA-RAK IIIツアーラックにマウントされ、1ラックあたり9Uで48チャンネル、60,000ワット以上を提供します。

現場でL1を使用したエンジニアの声

パイロット導入を通じて、FOHエンジニアからの評価は一貫しています。「このシステムは、スタジアムを実際よりもずっとコンパクトな空間に感じさせてくれます。フル・カーディオイドPAによって低域をコントロールすることで、こうした巨大な空間でありがちな低音の回り込みがほぼ解消されます。さらに、これまでに聴いた中で最も優れた中高域が加わることで、まるで空間そのものが消えたように感じられるのです」と、ブルーノ・マーズのサウンドエンジニアであるショーン ・サリバン(Sean “Sully” Sullivan)氏は語ります。

Joker Xueの「King of Beasts」ツアーでL1が展開されています

Joker Xueの「King of Beasts」ツアーでL1が展開されています

「L1でのミキシングは、トップクラスのスーパーカーを運転しているような感覚です。驚くほどレスポンスが良くパワフルで、これまで以上に自由にミックスを追い込むことができます」と、ジョーカー・シュエのサウンドエンジニア、ジュン・チャンは述べています。「限界までプッシュしても、ボーカルは常にシルキーでクリアなままで、他のシステムで感じていたような耳障りな硬さは一切ありません。このことが、ミックスに大きな自信を与えてくれます。」

ハリウッドボウルは、会場の象徴的な建築に溶け込むように特別にカスタムのホワイト仕上げで、世界初のL-Acoustics L1を常設導入した会場となりました。L1は、2004年のV-DOSC、2013年のK1に続く、ハリウッドボウルにおける第3世代のL-Acoustics サウンドシステムで、世界で有数の会場との20年にわたるパートナーシップがさらに確固たるものとなりました。

L1およびCS1は現在、パイロットフェーズで展開されています。L-Acoustics公認パートナーへの提供は、2027年初頭を予定しています。

L1およびL1Dの詳細については、以下をご覧ください: https://www.bestecaudio.com/brand/l-acoustics/lseries/

CS1の詳細については、以下をご覧ください: https://www.bestecaudio.com/products/cs1/

 

L-Acoustics Keynote 2026のプレゼンテーションはこちら: https://www.youtube.com/watch?v=4j881QsAm5g