2026年4月
音響業界のリーディングカンパニーであるL-Acousticsとd&b Audiotechnikは、SoundPLANと連携し、新たな規格「System Design Exchange(SDE)」を開発しました。SDEは、信頼性の高いノイズ予測に向けた大きな一歩を踏み出すもので、複数のサウンドシステムに対応する中立的かつ画期的なノイズ予測の基準を提供します。

都市部における屋外イベントが増加し続ける中、効果的なノイズ管理はきわめて重要な課題となっています。これまで、各システムが独自の専用ツールに依存しており、相互運用性が欠如していました。そのため、異なるメーカーのサウンドシステムを使用するフェスティバルやイベントにおける騒音排出を予測することは困難でした。結果として、ノイズ予測に一貫性がなく、環境要件を満たすことが難しくなるケースが多くありました。

SDE規格は、こうした課題に対応するために開発されました。環境騒音予測ソフトウェアにおいて、信頼性が高く、一貫性があり、比較可能な予測を実現するための、統一された手法およびファイルフォーマットを提供します。SDEでは、d&bの ArrayCalc や L-Acoustics の Soundvision といったシステム設計ソフトウェアから、どのようにデータをエクスポートするかを定義するとともに、複雑な音響相互作用を計算するための方法論を詳細に規定しています。これには、キャリブレーション係数やデコヒーレンス係数が含まれ、これまで実現不可能であったあらゆる距離における最高レベルの精度を実現します。

SDEを使用することで、システム・テクニシャンは自らの設計を標準化されたSDEファイルとして書き出し、それを SoundPLAN などの環境騒音予測ソフトウェアに取り込むことができます。この合理化され、安全かつ高速なワークフローに加え、位相を考慮したコヒーレント音源の正確な計算を可能にする複雑な音響加算の扱いにより、コンサルタントやイベント主催者は、異なるメーカーのシステムや複数のステージを持つフェスティバルにおいても、等価な条件で計算を行い、騒音放射を正確に予測できるようになります。将来的には、SDEフォーマットは他のメーカーや、他の騒音予測ソフトウェアにも公開される予定です。

d&b audiotechnikのアプリケーション・ソフトウェア プロダクトマネージャーである フロリアン・ハーン(Florian Hahn)氏は次のように述べています。「SDE規格は、大規模イベントにおけるノイズ管理の課題に取り組む上で、非常に大きな前進です。SDEによって、効果的で比較可能なノイズ管理が誰にでも利用可能になり、観客が好きなアーティストを楽しみながら、近隣住民、公共施設、自然環境への配慮も同時に実現できます。」

L-Acousticsの空間システム部門 プロダクトマネジメント・ディレクターである ヤン・ガエル・ジケル(Yann Gaël Gicquel)は、次のように付け加えます。「現代のフェスティバル運営は、ライブ音楽を特別なものにするエネルギーと、それを受け入れる地域社会の正当な期待との間にある、現実的な緊張関係を乗り越える必要があります。SDEを使うことで、プロモーター、コンサルタント、行政機関など、関係者全員が議論の場で共有できる、信頼性の高い『単一の真実』を持つことができます。それこそがSDEの意義です。」

SoundPLANのマネージング・ディレクターである ヨッヘン・シャール(Jochen Schaal)氏は次のように締めくくっています。「SDEは、音響業界におけるノイズ予測の新たなベンチマークとなるでしょう。その革新的で協調的なアプローチにより、SDEは業界標準として確立され、ワークフローを簡素化するとともに、異なるサウンドシステムメーカーによる騒音排出を、これまでで最も信頼性が高く正確に予測することを可能にします。」

新しいSDE規格は、すでに提供開始されています。L-Acousticsのユーザー向けには、現在、L-Acousticsによるトレーニングおよび認定を受けたコンサルタント、ならびに同社の Environmental System Design サービスを通じて利用可能です。詳細は www.sde-info.com をご覧ください。d&bのユーザーは、ArrayCalc 内から直接SDEを利用することができます。