ウィスコンシン州、マディソン – 2018年5月
Clearwing Systems IntegrationがOverture Center for the Arts (OCA)の一番広い劇場に K2/KS28 システムと、Xシリーズ コアキシャルをインストールしました

人気のある会場にとって、成功は両刃の剣となることがあります。 会場が絶えずイベントを開催していれば、テクノロジーを更新する時間は足りなくなる恐れがあるからです。2,255席を持ったOverture Hallは、今までそうでした。100台以上のL-AcousticsスピーカーをClearwing Systems Integration’sによって追加導入したOverture Hallは、5つのギャラリーと7つのパフォーミング・アーツで会場を構成している、マディソン市のOverture Center for the Artsの中で、一番広いホールです。

2004年に、American Girlの人形クリエータが寄付した2億400万ドルで建てられたOvertureは、ウィスコンシン州で一番広い会場になり、専門雑誌『Pollstar』によると、世界中で入場券販売の最も多い会場の1つでもあります。

「センターでのパフォーマンスの数はさまざまですが、一年の中で数日に一回だけのパフォーマンスが開催されることがあります」とOCAのテクニカルアソシエート、Brian Andersonは述べています。 「マディソン交響楽団、バレエ、オペラから、2019年に上演予定の『レ・ミゼラブル』、『オペラ座の怪人』、『ライオンキング』や『ハミルトン』のようなブロードウェイシーズンまで、様々なパフォーマンスを開催しています。 また、数多くのコンサート、小学生の演奏や様々なイベントを多く開催しています。さまざまなイベントがあることから、時間とコストを節約するために必要なインフラを整備し、素敵なユーザー体験と完璧なカバレッジを提供し、どの演奏にも適用できるシステムを設計し、設置しなければなりませんでした」。

それらの条件の全てで、バランスをとり維持するのはClearwingのMik Mooreの役割でした。「Overture Hallは美しく、音も良い会場ですが、その設計者は将来のアップグレードを意図していなかったのです。」とMoore氏は指摘しています。「インストールのスケジュールがとても短くて、5週間でL-AcousticsのK2システム、新しいDSP、約90kmのケーブル配線、ビデオとインターコムと聴覚補助の新しいシステムをインストールしなければいけなかったのです。30センチ程の厚さのコンクリートの壁にいくつかの穴を開けなければいけないこともありました。」

3週間続くブロードウェイ・ショーやその他のコンサートなどを含むさまざまなショーへ対応を考えると、ライダーに対応できるシステムが絶対に欲しかったのです。 「このプロジェクトの最も重要な目標は、できる限り機能的な会場にすることでした。」とMoore氏は述べました。「ツアーで使いやすい装置をインストールするために、タイラインシステムとして、クルーが会場の至るところにいてもFOHなどと連絡できるよう、必要とした場所にインカムを設置しました。 会場のスタッフとツーリングクルーにかかわらず、使いやすさは優先事項であり、効果的でなければなりませんでした。」

このインストールは、3つのシステムに分けられています。 Clearwingは信号処理と必要な場所に信号を送る処理「トラフィック監視」のためにQSC QSYSシステムをバックボーンとして、聴覚補助システムを容易にするためにListen Technologiesの製品を選びました。 スピーカーは、LRシステムとして24台のL-Acoustics K2と、センタークラスタとしてフライングされた4台のKS28サブウーファー、そしてステージの片側ずつにグラウンドスタックされた2台のKS28 が設置されています。

しかし、シンフォニーとオペラの公演は、自然な響きを維持しながら一貫したカバレッジを提供する、音響透過する天井「クラウド・フィル」システムに依存されます。アコースティック・クラウドの上に設置された12台のコアキシャル12XTと、オーディエンスフィルとして会場の周りに設置された77台のコンパクトな5XT、フロントフィルとして13台のX8システムも設置されています。24台のX12はモニタリングとリップフィルとして採用され、さらにX8と5XTが移動用としてステージの様々なコンフィギュレーションで使用されています。 全てのスピーカーは、19台のLA12Xと13台のLA4Xによってプロセッシングとドライブされています。

「アコースティック的に、Overture Hallは素晴らしい会場です。」と、Anderson氏は述べています。「どの周波数でも一貫したディケイと低いアンビエントノイズで、細かい部分まで明確に聞き取ることができます。しかし、フライングシステムを、必要に応じて隠すために、天井パネルの中に入れなければいけなかったのです。 また、バルコニーが3つもあるため、全席をカバーするには、ライン・アレイ内に大量のキャビネットが必要でした。K2のPanflex可変パターンコントロールは、機種を変更することも、壁に影響を与えることもなく、広い指向性から狭いカバレッジまで対応できます。さまざまなイベントに対応できるようルームのレイアウトを変更するため、3つの異なったピットの構成と、幅と高さを変更できるプロセニアムになり、システム設計に苦労しました。」

L-Acousticsの5XTフィルは、ボックス席エリアのカバーと、アンダーバルコニの「天井スピーカー」として使用されています。 これらのスピーカーは、メインアレイと同じ音色を保ちながら一貫したカバレッジを提供するために採用されています。 39台の5XTキャビネットが天井に取り付けられ、壁面に合わせた特注色の24台の5XTがボックス席のエリアで使用されています。

ClearwingとL-Acousticsは、長年にわたりお互いに友好関係を持ち続けてきました。 「Clearwingはその高い品質と信頼性を持つL-Acousticsの機材を採用しています。 その結果、観客もクライアントも満足しています。Clearwing Systems Integrationの親会社であるClearwing Productionsは、北米最大のツアー用オーディオプロバイダの1つで、年中をとおして忙しい、多くのイベントを開催している会場の大型システムの重要性と、主要なツーリングプロダクションのニーズを理解しています。 Overture Center for the Artsは人気のあるツアーが必ず公演を行う場所だから、エンジニアとってユーザーフレンドリーなL-Acousticsを採用しました。」と、Moore氏は表現しました。

プロバイダとメーカーを決めたとき、Overtureのスタッフにとっては、サービスがとても重要でした。「Capitol劇場で初めてL-Acousticsをインストールした当時は、主要なメーカーのデモをしました。」とAnderson氏は回想します。「優れた音質だけでなく、継続的に優れたサポートを提供できるメーカーを探していました。デモから最後のインストールまで、デモやデザインの過程で起こった問題などのせいでこのシステム設計を3回やり直しました。そのときは、制限されたスペースで最高のシステムのインストールを根気強く手伝ってくれたメーカーは、間違いなくL-Acousticsでした。 L-AcousticsとClearwing Systemsのサポートとシステムにして本当に良かったと思い、Overture Hallの改修のときも、自然とそのパートナーシップを続けようと思いました。」

「現在、優れたスピーカーメーカーはたくさんありますが、L-Acousticsでは、一つの会社で高音質と優秀なサポートを提供することができ、ライダーに適合することもできます。修理が必要な場合は、直接メーカーに依頼もできますが、特別なイベントでシステムを更新したいときはもちろんClearwingと協力しています。」と、加えて述べました。

結論として、Anderson氏はL-Acousticsを採用したのは、機材の種類を問わず、一貫したサウンドを提供しているからだと説明しました。「小型の機材は大型の機材と同じサウンドを提供していて、違いは小さくなった出力レベルと指向性だけです。」と、指摘しました。「システムの完成と、音圧と音質などの一貫性にとても満足しています。観客がどこに座っていても、例えば最も遠い席でも、感じるオーディオが一切変わりません。」

Overture Center for the Artsとその施設の詳細については、 www.overture.org をご覧ください。Clearwing Systems Integrationの詳細については、 www.clearwing.com/ をご覧ください。