2021年4月
L-Acousticsの最新システムがEksercerhuset(エグサルサーフーセ)でその能力を発揮。

エクササイズハウスという意味のEksercerhuset(エグサルサーフーセ)は、デンマーク陸軍信号連隊の本拠地であるフレデリシアの中心部に建っています。1863年に古いビューロー兵舎の一部として建設され、ここ数年は一時的なパフォーマンス会場として使用され、コンサートやスタンドアップコメディなどのライブイベントが開催されています。仮設ということで、音響、照明、舞台装置、役者の衣装やトイレ設備を公演ごとにレンタルしなければなりませんでした。2020年に、地元自治体はこの会場を恒久的なパフォーミング・アーツ・センターにすることを決定し、このスペースが質の高いパフォーマンスを継続的に誘致するために必要なインフラを設置しました。デモの後エグサルサーフーセは、L-AcousticsのデンマークのディストリビューターであるMatrix Salesにプロジェクトを発注し、ヨーロッパ初のL-Acoustics K3システムを設置しました。

フレデリシア自治体が所有するエグサルサーフーセの会場責任者であるスーネ・ラスムセン(Sune Rasmussen)氏は、音響設備を監督しました。彼が目指したのは、クラシックからEDMやヘビーロックまで、様々な音楽プログラムを最先端の音質で提供できる会場です。自治体はコンサルタントのマーティン・ポールセン(Martin Poulsen)氏にプロジェクトの現実化を任せ、ポールセン氏は6社に彼の仕様に沿ったデザインを提出するよう依頼しました。現場でのデモ中に、測定値がキッチリと記録され、その後、ポールセン氏が選んだ専門家チームによって評価されました。

Matrix Sales社のプロオーディオ部門セールス・マネージャーのヘンリック・ボネ(Henrik Bonné)氏は、L-Acoustics社のオスカー・マイヤー(Oskar Meijer)氏と協力して、新しい、コンパクトでフルレンジのK3ラインアレイを中心としたシステムを設計しました。「K3のフルレンジ帯域幅により、どんな音楽ジャンルでも再現することができます。」とボネ氏は説明します。「デモの間、K3は全ての周波数スペクトルとカバレッジにおいて、総合的に最も優れたサウンドのソリューションとして認識されました。」

K3は、デュアル10インチのサイズ感のボックスにデュアル12インチドライバーを搭載しています。これにより、Matrix社はたった 8台のスピーカーでステレオハングを構築することができました。3台のKS28による2つのスタックと2台のKS21のセンタースタックを配置することで、ステージ上に過剰な低音を回り込ませることなく、システムにパンチを与えています。左、右、中央のカバレッジは、2台のA10 Focusと2台のX8で対応しています。2台のKS21サブウーハーと12台のコアキシャルX12は、モニターとサイド/ドラムフィルとして使用されています。EQステーションとディレイおよびダイナミクス処理を組み合わせたL-Acoustics P1プロセッサー2台は、8×8マトリックスモードで、すべての入力構成に対応し、6台のLS10スイッチがリダンダントAVBネットワークへで接続されています。システムは、メインPAに合計7台のLA12Xアンプリファイド・コントローラー、ウェッジ、ドラム、サイドフィルは4台のLA4Xによってドライブされます。

「K3のパンフレックス可変指向性を利用して、メインハングに近い会場の横壁に音があたらないようにしました。」とボネ氏は説明します。「Soundvisionと注意深く行われたシステム設計は、部屋の横壁と後壁からの反射を避けるのにも役立ちました。」

「会場のオーナーは結果にとても満足しています。」とボネ氏は締めくくります。「5月にEksercerhusetを再びオープンし、観客に新しい、驚くべきK3システムを聴いてもらうことができることを楽しみにしています。」