GARDEN 新木場 FACTORY が L-Acoustics K3・KS28を導入して実現した機動力と演出力
東京のベイエリア・新木場に位置し、リハーサル、ライブ、撮影、配信など多目的に活用されている「GARDEN 新木場 FACTORY」。この度、同施設の新たなサウンドシステムとして、L-Acoustics の K3 、 KS28 、X12 が導入されました。

GARDEN 新木場 FACTORY 公式HPより
空間のポテンシャルを最大化するシステム
株式会社GARDENが運営する「GARDEN 新木場 FACTORY」は、工場跡地の無骨な質感を活かした新しいスタイルのマルチスペースです。メインとなる「STUDIO」は約200坪(幅13.6m×奥行46m)、天井高はトラス下で7mというスケールを誇ります。プロユースに耐えうるメイク室や楽屋、来客用設備も完備されており、その利便性の高さから年間スケジュールはほぼ満枠。用途の約8割をライブやリハーサルが占め、残る2割で撮影や配信が行われています。アーティストのMVやSNSで発信する写真を通じて、その特徴的な空間を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

GARDEN 新木場 FACTORY 公式HPより
これまで、同施設では演目ごとに協力会社から音響システムをレンタルして運用してきましたが、この度、満を持してL-AcousticsのK3およびKS28を中心とするシステムを自社導入しました。
施設自体は常設でありながら、ステージや音響システムは演目ごとに組み替える「仮設運用」という独自のスタイルが、K3との最適なマッチングを生みました。
GARDEN 新木場 FACTORYで音響管理を勤める 松岡 祐輝氏に、導入の経緯と詳細を伺いました。
選定の鍵は「圧倒的な設営スピード」と「信頼性」

メインスピーカーは、K3 と KS28 による4/2対向。写真ではKS28はカーディオイド構成。
サイドスピーカーや様々な用途で使うX12 ×2本も導入されています。
選定において最も重視されたのは「組みやすさ」でした。 同施設ではスピーカー、ステージ、照明のすべてが仮設であり、演目によっては基本形ではないレイアウトも想定されるため、スピーカーはグランドスタック(床置き)での運用が基本となります。少数精鋭のスタッフで効率的に運用するためには、組み立てと解体の容易さが不可欠でした。 12インチ口径の製品を検討する中で、松岡氏の目に留まったのがK3でした。
当初は他社製品とも比較検討されており、松岡氏は「最初はL-Acousticsはハードルが高い印象がありましたが、最終的には、機転が利いてかつ音質も妥協のないものはK3以外にないと確信しました」と語ります。
電光石火で完了するスピーカー設営

現在、4〜5名のスタッフの手により、何もない状態からステージとシステムを組み上げるまでわずか2時間程度で完了するとのこと。スピーカー単体の組み立てに至っては、4名で作業すれば極めて短時間で終えることができます。この驚異的なスピードの理由は、L-Acoustics独自の機構にあります。
「スタックする前に金具の角度をプリセットできるため、スピーカーを正しい位置に置くだけで自動的にロックされ、角度が決まります。
以前使用していたスピーカー(他社製品)は8インチモデルでコンパクトでしたが、スタック後に保持しながら角度調整を行う必要があり、体力的な負担がありました。
K3は2人での持ち上げが必要ですが、ロックまでの工程がスムーズで力を必要としません。43kgという軽量さだけでなく、大型ハンドルを備えた『持ちやすい形状』も、現場の疲弊を防ぐ重要な要素です」(松岡氏)
設営後のキャリブレーションについても、「LA Network Manager」のプリセットをベースに、Smaartでの確認を経て「Lake LMX48」で微調整するだけで完了するといい、「L-Acousticsの音響哲学とサウンドは信頼に値します。調整のしやすさは他社製品と比べても圧倒的です」と高く評価してくださいました。
クリエイティビティを支える「自然なサウンド」
設営の利便性だけでなく、そのサウンドクオリティも導入の決め手となりました。松岡氏はK3の音質についてこう語ります。
「K3は非常に自然で良い音がします。ハイもローも無理に出している感じがなく、位相もきれいなので、X12とも合わせやすいです。プリセットチューニングの状態ですでに完成度が高く、『あとはオペレーターの腕次第』と思わせてくれる信頼感があります。」

アンプリファイドコントローラー LA12X ×4台
演出を邪魔しない「意匠」と「存在感」

また、現場ならではの視点として、L-Acoustics特有の「色」についても言及がありました。
「公演中にステージが明るくなった際、真っ黒なスピーカーは逆に目立ってしまいます。しかし、L-Acoustics特有のグレーがかった色味は、カラフルな照明を反射せずに吸い込むような質感があり、暗転時には闇に溶け込みます。どんな演出も邪魔をしない、素晴らしいデザインです。」
さらに、MVや番組撮影が多い同施設において、その「外見の良さ」も大きな武器になっています。 「スタッフの間でも『かっこいい』と評判です。PA機材には見た目のロマンも必要です。クライアントのリクエストでK3を映像に登場させることもあるのですが、作品としての説得力がより強まっていると感じます。」
自社所有がもたらした技術の研鑽
メインスピーカーをレンタルから自社システムにしたことで、GARDEN 新木場 FACTORYにおける機材管理の効率とスケジュールの自由度は飛躍的に向上しました。K3を中心としたシステムは汎用性が高く、多様なクライアントの要求に柔軟に応えることが可能となりました。
この運用体制の変化について、松岡氏はさらに「技術的な恩恵」を強調します。
「自分たちの機材を持つことで、スタッフが自発的に勉強し、技術を深める環境が生まれました。例えば、KS28のカーディオイド構成を試したり、会場の縦使い・横使いに合わせた最適なチューニングを検証したりと、日々研究を重ねています。」
運営における圧倒的な機動力と、来場者の心を掴む上質な音響体験。その両方を叶えたK3・KS28の導入は、GARDEN 新木場 FACTORYをさらに魅力的な空間へと進化させる、これ以上ない選択だったと言えるでしょう。

Sound Engineer 松岡 祐輝氏



























