アデレード・フリンジ・フェスティバルの今年は、スカイ・ソングという世界初の長編ドローンアートの展示を行い、南オーストラリア州マクラーレン・ベールのワイナリーを囲む、なだらかな丘と平原で3月の間 開催されました。Photo by David Solm

Syva、Syva Low、SB28は、マルチメディアを使った先住民族の物語にインパクトを与えます

2022年6月
毎年、南オーストラリアで開催される今年のアデレード・フリンジ・フェスティバルのは、スカイ・ソングという世界初の長編ドローンアートの展示を行い、南オーストラリア州マクラーレン・ベールのワイナリーを囲む、なだらかな丘と平原で3月の間 開催されました。マルチメディア体験型ショーは、オーストラリアの先住民族の音楽や物語を、夜空を背景にした見事な視覚効果で表現しています。この壮大な視覚的パフォーマンスは、アデレード・フリンジのプロデューサーと、技術、芸術、ホスピタリティを支援するパートナーとのコラボレーションによって実現したもので、オーストラリア政府のRISE 基金イニシアティブと南オーストラリア州観光局の支援を受けています。

幅72メートルのホログラフィックスクリーンでは、先住民族の物語を投影し、イギリスのCelestial社が上空でドローンを操作して映像に視覚効果を加えました。それぞれのドローンには個別のLEDライトが搭載され、オーストラリアの先住民のユニークなドット・ペインティング(点描画)のスタイルをさらに引き立てるものとなっており、すべてデジタルでプログラムされました。

ショーのサウンドトラックは、スピーチ、詩、音楽がミックスされたもので、これらは最初にプリプロダクションの段階で制作されたものでした。その後、全てのビジュアル要素が一致するようデザインされました。コラボレーションチームは、明瞭なスピーチを再現できるサウンドシステムの重要性と、オーストラリアのアボリジニのエレクトロニック・ミュージック・アーティスト、Electric Fieldsによる低音のヘビーなフィナーレ・トラックなどの音楽サウンドトラックに十分なパワーを提供する必要があると認識していました。

アデレード・フリンジの公式プロダクションパートナーであるL-Acousticsの公認レンタルパートナーNovatechは、ピックニックや素晴らしい光景を見ることができる幅100m、奥行き80mの芝生の観客席にシステムの設置を任されました。

Novatechのチームにとっての主な課題は、この広大なオーディエンスエリアに視覚的要素を妨げることなくカバーするシステムを設計することでした。地上のホログラフィックスクリーンは高さ15mと巨大で、スピーカーアレイを積み重ねたり、吊ったりすることはできませんでした。

地上のホログラフィックスクリーンは高さ15mと巨大で、スピーカーアレイを積み重ねたり、吊ったりすることはできませんでした。Photo by David Solm

「このプロジェクトの特有な課題に対して、Syvaは理にかなった選択でした。そのためには、均一なカバレッジと並外れた音質、そしてクリーンなサイトラインを確保するために可能な限り視覚的な影響を少なくすることが必要でした。

また、Syvaの広い指向性により、エリアをカバーするためのディレイを減らすことができました。」と、Novatechのアカウント・プロジェクト・マネージャーのマイケル・ロバーツ(Michael Roberts)氏は説明します。

Sky Songのプロダクションデザインチームに提示する前に、L-AcousticsだけのサプライヤーであるNovatechのチームは、3Dマッピングソフトウェア「Soundvision」を使って社内でシステム設計に取り組みました。「もっと多くのエレメントを用いたもっと大きなシステムを提案されると思っていたようで、当初はかなり懐疑的でした。」とロバーツ氏は明かします。しかし、我々はSyvaとSoundvisionのシミュレーション結果に自信がありました。」

また、Novatechはまた、Soundvisionを用いて、ディレイシステムの最適な間隔と高さを計画し、ディレイの真下に座っている人が適切なサウンドレベルを得られるようにしました。

Novatechは、観客エリアの前面にわたってSB28サブウーハーの上に置いたSyvaとSyva Lowの5セットを設置しました。Photo by David Solm

Syva SubをSB28に置き換えるとい選択により、ショーのダイナミックな音楽セグメントでパワフルなローエンドを実現することができ、驚くほど効果的でした。Photo by David Solm

システムは、観客エリアの前面にわたってSB28サブウーハーの上に置いたSyvaSyva Lowの5セットが設置されました。ディレイラインは二つあり、各ラインに3か所、1本のSyvaがNovatechの特注マウントスタンドに3mの高さで設置されました。システム全体はL-AcousticsのLA4XとLA8アンプリファイド・コントローラーによってドライブされ、Novatech社の音響技術者マルコ・ラブ(Marco Rab)氏がシステムのアライメントとチューニングを行いました。

Syva SubSB28に置き換える選択により、ショーのダイナミックな音楽セグメントにパワフルなローエンドを実現することができ、驚くほど効果的でした。さらに、クライアントであるCelestialとAdelaide Fringe両社の期待に応え、それを大きく上回る結果を得ることができました。

「Novatechがグラウンドレベルからのプロジェクションへの影響を最小限に抑えたシステムを提供できるかどうか、共同制作チーム全体で盛り上がっていました。最初のゲネプロを行いましたが、誰もがこのシステムの音質と均一なカバレッジに感心しました。」とロバーツ氏は付け加えます。

「個人的には結果に非常に満足しています。」と締めくくります。「クライアントの期待は、世界最高水準の高品質なサウンド体験でしたが、我々はそれを確実に提供することができました。システムには十分なヘッドルームがあり、カバレッジも正確で、Syvaの薄型なデザインにより観客への視覚的なインパクトは最小限に抑えられました。制作に関わった全員が素晴らしい体験をすることができ、観客からも音響システムに対する好意的な声をたくさんいただきました。」

Photo by David Solm

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