リエージュ大学、歴史的なキャンパス全域で極めて明瞭な音声を実現するためL-Acoustics SyvaとSokaを導入
Ⓒ Alexandre Aretz
2025年12月
1817年に設立されたリエージュ大学は、ベルギーでトップ3の研究大学の一つであり、世界では230位にランクされています。同大学は、サール・ティルマンの丘にあるメインキャンパスをはじめ、歴史的な市街地にある本部キャンパス、そしてリエージュ州全域に広がる各キャンパスで、2万8,000人以上の学生が学んでいます。
2025年後半、同大学は11か所の主要施設における音響設備をアップグレードしました。対象施設には、ワロン地域の特別文化遺産に指定されている1824年建造の「Salle Académique (サル・アカデミック)」をはじめ、主要な講義室や円形講義室などが含まれます。この包括的な導入プロジェクトでは、L-AcousticsのSyva、Soka、5XT、X6iスピーカーと、アンプリファイド・コントローラーLA2XiとLA4Xの組み合わせが採用されました。これらの機種は、音声の明瞭度、コリニア・アレイ・テクノロジー、そして歴史的建築に違和感なく溶け込む意匠性が評価され、選定されました。

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27のブランドから、一つの統合されたシステムへ
課題は明確でした。あまりに多くのブランドが混在し、標準化が進んでおらず、メンテナンスの悩みも絶えなかったのです。「ほんの数年前まで、リエージュ大学のオーディオビジュアル環境は、バラバラなモザイク画のような状態でした」と、リエージュ大学のAV技術者、アルノー・フレデリクス(Arnaud Frederix)氏は語ります。「キャンパス全体で最大27もの異なるブランドが混在しており、正に収拾がつかない状況だったのです。」
この断片化された環境は、運用効率の低下やメンテナンスの複雑化を招き、さらには最も重要な「講師と学生双方にとっての音声の明瞭度」を損なうリスクとなっていました。解決策は、単に新しい機材の購入というより、専任のAV部門を設立し、明確な基準を定め、さまざまな空間において一貫したパフォーマンスを提供できるパートナーを選定することが求められたのです。
大学の取り組みは徹底したものでした。改修が行われた各会場では、完全な互換性と一貫した性能を確保するため、すべての旧型機器が更新されました。「私たちが目指したのは、可能な限りの改善を行うと同時に、既存のリソースを有効活用し、共有できるリソースを最適に配分するインテリジェントなシステムを構築することでした」と、XLR社のセールスマネージャー、アレクサンドル・アレッツ(Alexandre Aretz)氏は述べています。

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なぜコリニア・アレイが選ばれたのか
大学は、すべての機材管理、相互運用の確保、および予算監督を行うための新たなAV部門を設立しました。チームは大学内部のAVスタッフ、L-Acoustics公認プロバイダーであるXLR社、そしてインテグレーター企業のESI Informatique、Wave、Riva、Inytiumの各社で構成され、大学の公共調達の枠組みの中でプロジェクトを推進しました。
L-Acousticsは、大学の最も重要な施設向けに選定されました。11か所の設置現場には、歴史的建造物に指定されている「サル・アカデミック」をはじめ、ノッピウス(Noppius)、クルト(Kurth)、ウィルモット(Wilmotte)といった各円形講義室、ド・メアン(De Méan)講堂、複数の講義室、そしてジャンブルー(Gembloux)キャンパスのメイン講堂が含まれています。
「アカデミックな環境において、音声の明瞭度は極めて重要です」とフレデリクス氏は説明します。「L-Acousticsのスピーカーは、音響的に困難な空間であっても、情報がクリアかつ正確に伝達されます。このレベルのオーディオ・クオリティは、学習を直接的に支えるものです。」
L-Acoustics選定の決め手となったのは、明瞭度と意匠性という2つの技術的要件でした。SyvaとSokaのコリニア・アレイは、垂直方向の指向性が高度に制御されているため、階段状の座席全体を均一にカバーしつつ、音声を濁らせる原因となる天井や床からの反射を最小限に抑えます。また、そのスリムな形状は建築空間に自然に溶け込みます。これは、大型のスピーカーシステムでは視覚的に不自然になってしまう歴史的建造物には不可欠な要素でした。
「私たちが提供したかったのは、直面していた技術的制約と意匠的な制約の両方に合致するために、コンパクトで目立たないフォルムでありながら、卓越したサウンドクオリティを実現するシステムでした。」とアレッツ氏は説明します。「特にサル・アカデミックやいくつかの円形講義室のような歴史的空間では、美観に優れたソリューションを導入することが非常に重要だったのです。」

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Soundvisionで音響をマッピング
複数の会場やキャンパスに音響システムを導入するには、精密なモデリングが必要でした。統合チームはL-Acoustics Soundvisionソフトウェアを使用して、各空間をモデリングし、カバレッジパターンを予測し、スピーカー配置を最適化しました。3Dシミュレーションを活用することで、構造の異なるさまざまな室内で音がどのように振る舞うかを可視化し、施工前に構成を微調整することが可能となりました。
「Soundvisionのおかげで、私たちが担当した空間を注意深くマッピングすることができました。その中には、大学にとって最も重要かつ歴史的な場所も含まれていました」と、アレッツ氏は語ります。

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SyvaとSoka:音声伝達性能を追求した設計
サル・アカデミックをはじめとする各ホールには、LA2Xiアンプリファイド・コントローラーで駆動するSyvaおよびSyva Lowのアレイが左右に配置されました。Syvaのコリニア・アレイ設計は、垂直方向の指向性を高度に制御し、反射を最小限に抑えながら、階段状の座席全体に均一なカバレッジを提供します。そのスリムでエレガントなフォルムは、会場の要件に応じて、フライング、グラウンドスタック、壁掛けなど、柔軟な設置が可能です。
リエージュ大学ジャンブルー(Gembloux)キャンパスの円形講義室には、SyvaとSyva Lowに加え、バルコニー席の上下をカバーするために6台のX6iが導入されました。また、一部の円形講義室にはSokaコリニア・アレイが採用され、バルコニー下部とディレイカバレッジには5XTスピーカーが使用されています。大学は全11会場に合計15台のLA2XiとLA4Xアンプリファイド・コントローラーを設置し、システム全体にわたって安定したパワーとプロセッシング能力を確保しました。

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実際に効果を発揮する卓越した技術
その成果は数字や事実として現れています。システムへの不満は解消され、技術的なトラブル対応が必要になることはほとんどありません。教職員と学生は、教育と学習に完全に集中できる環境が整いました。このシステムは、現場の技術者、建築家、そして大学の学術委員会からも高い評価を得ています。
「このプロジェクトが成功した鍵は、協力体制にありました」と、XLR社のCEO、ルイ・ルクサ(Louis Lukusa)氏は結論づけています。「大学、インテグレーター、そしてXLRが信頼できるパートナーとして連携し、全員がL-Acousticsのエコシステムにおけるトレーニングを受け、同じ方向を向いて取り組んだ結果なのです。」



























