Ⓒ Wang Tobi

2026年1月
大晦日にオープンしたAPLUS SAIGONは、1,000人収容のダンスフロアの中核にL-Acoustics LシリーズのDJサウンドシステムを導入しました。この導入は、ベトナム初のL2導入事例であり、2023年12月にオープンしたハノイ店に続く、APLUSブランドとして2軒目のL-Acoustics公認プロバイダー・ディストリビューター ProAVL Vietnam とのパートナーシップとなります。

© Wang Tobi

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APLUSは、2025年版「DJ Mag Top 100 Clubs」にて第67位にランクインし、国際的DJブッキングと高品質なエレクトロニック・ミュージック体験で確固たる評価を確立しています。ホーチミン市の会場は、800人規模のハノイ店から収容人数・技術的複雑性ともにスケールアップし、約280㎡のワンルーム空間を前後に伸びるLEDパネルの軸に沿って設計しています。中央のダンスフロアに加え、段状のVIPテラス、そして高床式の座席エリアが設けられ、DJブースへの視認性を確保しながら、明確にゾーン分けされた構成となっています。

同クラブでは、ArgyやDombreskyといった国際的アーティストに加え、地元アーティストを定期的に招聘し、テックハウス、メロディック・テクノ、EDMを中心にプログラムを構成しています。毎週末には、シンクロした照明、ビジュアル演出、ライブパフォーマンスを融合した、フェスティバルさながらのパーティが開催されます。

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迫力と精密性のバランス

「APLUSチームは、ワールドクラスのDJにふさわしい、象徴的で高品位なサウンドを求めていました」と、ProAVL Vietnamのテクニカルマネージャーであるチュン・ヴォ(Trung Vo)氏は語ります。「限られた空間の中で、高い観客密度と複数の高低差が存在するため、圧倒的なエネルギー感を保ちつつ、卓越した明瞭度とコントロール性能を発揮できるシステムが必要でした。」

L-Acousticsのテクノロジーは、APLUSが求める基盤を提供しました。TomorrowlandやCoachellaをはじめとする世界有数の大型フェスティバルで信頼されてきたL-Acousticsは、大規模イベントならではの精密さとパワーをクラブ空間にもたらします。APLUSにとってこれは単なる機材選定ではなく、ベトナムのエレクトロニック・ミュージック・シーンに新たな基準を打ち立てるというビジョンの中核でした。

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L2とKS28が音響課題を解決

ProAVL Vietnamは、L-Acoustics Soundvisionを活用し、ステージ前方とフロア後方における低域バランスという主要課題に対応しました。システムチューニングではL-Acousticsアプリケーションエンジニアのキムファイ・ヘップ(Kim Fai Hep)、システム設計ではチュンワー・キュー(Chung Wah Khiew)と連携し、高低差のある空間と高密度の観客エリア全体で最適なカバレッジを実現しました。

メインシステムは、片側L2L2D x1台ずつと4台のKS28サブウーハーで構成され、エレクトロニック・ミュージックに不可欠な強力な低域の基盤を確保しつつ、全周波数帯域に渡って明瞭な音質を維持しています。DJブースの後ろに設けられたVIPエリアには、A15 FocusおよびA15 Wideが2台ずつ設置されています。DJモニタリングは、左右それぞれA10 Focus 2台で構成されています。

アンプリファイド・コントローラーは、LA7.16LA12XLA4Xを使用し、P1プロセッサーおよびLS10スイッチによってエコシステムが完成されています。

「Soundvisionの予測は、実際の設置した結果と高い精度で一致していました」とチュン・ヴォ氏は語ります。「空間全体にわたる一貫したレスポンスと滑らかな周波数特性の変化により、歪みのない高SPLのエレクトロニック・ミュージック再生が可能になっています。」

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ベトナム初となるL2の導入

オープン以降、エンジニアリングチームは高SPL時でも明瞭さを保てるシステム性能に注目しています。低域から中域、高域へのスムーズなつながりが、リスナーの疲労を抑えつつ、エレクトロニック・ミュージックに求められるダイナミックレンジを実現しています。

「今回のLシリーズ導入は、グローバルな音響基準を満たしながら、ローカルなアイデンティティを大切にするというAPLUSの長期的ビジョンを支えるものです」とVoは語ります。「これは、ベトナムのナイトライフを世界有数のクラブと肩を並べる存在へと位置づけるものです。」