図:LDLC ArenaとL-Acoustics AシリーズとKシリーズシステムの様子 (Ⓒ Lotfi Dakhli)

2024年2月
リヨン市の新しいLDLC Arenaは16,000人の収容力を誇り、パリ以外でフランス最大規模の屋内アリーナ会場になっています。歴史、文化、イノーベーションですでに名高いリヨンに、Populous社が設計したこの会場は、感動的なスポーツイベントや大規模なコンサートを開催できる多目的なスペースを作りたかったという自治体の目的が実現されています。LDLC Arenaはリヨン=ヴィルールバンヌ地域のプロバスケットボールチーム「ASVEL Basket」の新たな本拠地となり、大規模なトーナメント、展示会、コンサートにも対応します。アリーナは、2023年11月に、リヨン出身のタレントでコメディアンのフローランス・フォレスティ(Florence Foresti)のパフォーマンスでオープンし、アークティック・モンキーズなどさまざまなコンサートも開催されています。

図:フランスのバンド「Shaka Ponk」はLDLC Arenaで演奏しました (Ⓒ Simon Bianchetti)

LDLCチームは、多様なイベント・プログラムを提供するというミッションを果たすため、マルセイユに本社を置く設備会社Snefに、あらゆるコンテンツに対応できるプロフェッショナルなコンサート・グレードの音響システムの設計・設置を依頼しました。Snefは、マルセイユの多目的アリーナスタッド・ヴェロドロームにおけるプロフェッショナル音響システムの導入など、同様のプロジェクトを成功させてきた実績があります。Snefは、LDLC Arenaのあらゆるスポーツやエンターテインメントのプログラムに対応できる柔軟で均一なカバレッジを達成できるよう努めました。しかも、イベントの種類によってスペースの収容人数と形状が変わるため、サウンドシステムはコンパクトで、異なるレイアウトにも適応できなければなりませんでした。

「このプロジェクトはリヨンにとって冒険のようなものでした。」とSnefのナショナル・テクニカル・ディレクターであるロドルフ・ロランジェ(Rodolphe Roellinger)氏は語ります。「これまで、汎用性と音質の高いサウンドシステムを必要とする豊富なプログラムに対応できるスペースがなかったのです。」

図:フローランス・フォレスティのパフォーマンス時の座席エリアの構造 (Ⓒ DamienLG)

Snefのエンジニアリングチームは、Soundvisionを用いて会場をマッピングした結果、AシリーズKシリーズの組み合わせによる柔軟なサウンドシステムを提案しました。それらは、試合で観客の視界を妨げることなく広いカバレッジに加えて、規模を問わない優れた適応力のために選ばれました。

Snefは、会場のコの字型をした場所の上部に、コンサート時のシステムとして12台のK3による2つのハングと3台のKS28による2つのセンタークラスターで構成されたシステムを設計しました。左右の長い辺に6台のA15iによる3つのハングが設置されました。さらに、2台のA15iによる2つのハングがフロントとリアに設置され、小規模なイベントシステムやコンサートのディレイとして機能します。6台のLA7.16iと2台のLA12Xアンプリファイド・コントローラーがシステム全体を駆動します。

「このユニークな会場にL-Acousticsの卓越したサウンドシステムを提供できたことを誇りに思います。」とロランジェ氏は語ります。「この音の正確性と迫力が、イベントごとに印象に残る体験を作っています。お客様から驚くべき音質と明瞭なサウンドを称賛する声が聞かれ、高く評価されています。L-Acousticsのおかげで、リヨンの舞台においてオーディオ体験の新たな基準を設けることができました。」