L-Acoustics Sokaがロンドンのシネマルームに新たな高みをもたらす
2025年8月
ロンドン・ウェストミンスターのタウンハウスの一室にある、かつては印象の薄いメディアルームが、サリー州を拠点とするインテグレーターHomeplayによって、完全なイマーシブ・シネマ体験を提供する特別な空間へと生まれ変わりました。
このプロジェクトは、すでに住宅全体の照明およびオートメーションをHomeplayに依頼していたクライアントが、満足のいかないメディアルームを一新したいと考えたことから始まりました。以前の部屋は音質が悪く、壁の共振や配管の雑音が響くなど、ほとんど使用できない状態だったといいます。
「当時の部屋はまったく魅力がなく、そのためまったく使われていませんでした。」とHomeplayのジェームズ・ラトクリフ(James Ratcliffe)氏は振り返ります。クライアントの高いご要望に応えるために、Homeplayのチームは部屋をスケルトン状態に戻し、メイン請負業者として空間を一から再構築しました。構造補強や高度な音響処理を統括し、最終的にL-Acousticsの豊かで本格的なサウンドを備えた、最先端のホームシネマを完成させました。

しかし、このプロジェクトで比較的スムーズに決まったのが、オーディオシステムの選定でした。クライアントは長年のオーディオ愛好家で、Homeplayが以前に別の部屋へ導入したハイエンドスピーカーを所有していましたが、このシネマルームではよりダイナミックで中域の押し出し感に優れたサウンドを求めていました。すでにHomeplayのショールームでL-Acousticsシステムの音を体験しており、さらにハイゲートにあるL-Acousticsを訪れて、そのサウンドを実際に体験できることを楽しみにしていたといいます。
「クライアントは音楽愛好家で、L-Acousticsでの体験に非常に感動されていました。」とラトクリフ氏は語ります。「まるでその場にいるような、パフォーマンスやアクションの中心に包み込まれるような親密でイマーシブな感覚を生み出すサウンドで、ほかに代えがたい魅力があります。クライアントはそのサウンドに感銘を受けて、すぐに決定されました。」
現在、このシネマルームには、3台のSokaオンウォールスピーカー、2台のSyva Sub、そして10台のX4i(サラウンド用に6台、ハイト用に4台)が設置され、9.1.4 Dolby Atmos構成を実現しています。LCRチャンネルには、スリムな外形と奥行きの浅さからSokaが選択されました。スクリーンウォールには2つの窓があり、クライアントはそれを残したいと希望しました。Homeplayは、窓を囲うように木製トリム付きのファブリックウォールを設計し、Sokaを最適な位置に設置しました。左チャンネルは左窓の脇、右チャンネルは右窓の脇に、センターチャンネルは2つの窓の中央に正確に配置されています。さらにLFEチャンネル用のサブウーハーを理想的な位置に設置するために、Homeplayはサッシ窓の下に2つのベンチを新たに設置し、その内部に2台のSyva Subを巧みに隠しました。見た目には目立たずとも、確かな重低音が体で感じられる設計です。

システム全体は、L-Acoustics LA7.16iアンプリファイド・コントローラー1台によってドライブされています。この強力なユニットはチャンネルあたり1,300ワットを出力しながら、わずか2Uのラックスペースに収まるというコンパクト設計で、ロンドン中心部の住宅のように限られたスペースに最適です。
オーディオシステムにはさらに、StormAudio Evoデジタル・イマーシブ・サウンド・プロセッサーも搭載されています。Evoは、Dolby Atmosをはじめとするイマーシブ・サウンド・フォーマットに対応し、最大24チャンネルのデコードおよびアップミックスが可能です。LA7.16iとEvoはいずれもAES67(Audio over IPフォーマット)をサポートしており、両デバイスはネットワーク経由で相互接続されています。これはHomeplayチームの配線作業時間を短縮し、完全なデジタル信号経路を実現しています。また、オーディオシステムを補完する映像機器として、Screen Research製3.3m・16:9電動ドロップダウンスクリーン(黒バック仕様)と、Sony製4Kレーザープロジェクターが導入されています。音響処理はCinema Build Systemsが手掛けました。システム全体は、Lutronの照明および遮光制御と一緒にControl4に統合されて制御されています。
新システムの設置・プログラミング・設定はすべて順調に進み、Homeplayのクライアントに大変ご満足いただきました。「クライアントは本当に結果に満足されています。」とラトクリフ氏は語ります。「この部屋はゲームや映画鑑賞、そしてお気に入りの音楽を楽しむ空間として活用されています。心からくつろぎ、時間を過ごすのが楽しくなる場所になりました。実際、気に入りすぎてソファの後ろにデスクを設置し、今ではホームオフィスとしても使われているのです!私たちも仕上がりにとても誇りを感じています。特にL-Acousticsのオーディオシステムは本当に素晴らしいサウンドです。」

L-Acousticsシネマシステムの設置に向けたスピーカー配置および室内改修を示す建築レンダリング



























