Brunch Electronik Madridは、L-Acoustics L2を使用して、都市部での強力なライブサウンドとコミュニティの一体感を実現
2025年11月
2011年の以来、移動型オープンエア・フェスティバル「Brunch Electronik」は、音楽、食、アート、そしてコミュニティが融合した独自のスタイルを、スペイン、アンドラ、ポルトガル、フランス、ブラジルといった各国の都市に披露してきました。このフェスティバルを特別なものにしているのは、広大な屋外スペースであっても、親密で没入感のある体験を創り出そうとする姿勢です。日中の開催というフォーマットや、都市部の公園というロケーションは、誰もが気軽に参加しやすい環境を生み出し、厳選された国内外のDJやライブアクトによる音楽が人々を一つにします。このコミュニティ感覚こそが、Brunch Electronikの特徴です。
マドリードの中心部でこのような親密な音響体験を実現するうえでの最大の課題は、数千人規模の来場者に対して力強く魅力的なサウンドを届けつつ、近隣住民への影響を抑えることです。2025年シーズンに向けて、L-Acoustics公認プロバイダーであるSmart Fussionは、マドリード市内の3か所の公園にL2カーディオイド・ラインアレイを導入し、騒音管理という課題を解決すると同時に、フェスティバルならではのコミュニティ感を維持しました。
Smart Fussionのテクニカル・プロダクション・マネージャー、パブロ・アルカサール(Pablo Alcazar)氏は次のように語ります。「Brunch Electronikの主催者は、屋外の大きな人混みの中にいても、まるで親しい友人に囲まれて没入型会場にいるような感覚を観客に味わってほしいと考えています。技術面での主な課題は、フェスティバル会場内では安定した音圧レベルを確保しつつ、近隣の住宅地へ影響を与えないよう、会場の外側では音漏れを極めて低いレベルに抑えることでした。」

カーディオイド制御による騒音管理
Smart Fussionがこれらの制約に対して導き出した答えは、スペイン初導入となる最新機材、L-AcousticsのLシリーズL2でした。このカーディオイド・ラインアレイは、都市環境での騒音管理に理想的であることが証明されました。その指向特性は、フェスティバル会場内で必要な場所に高い音圧レベルを届ける一方で、周辺の住宅街への音漏れを劇的に低減させます。
「L2は、カーディオイド・システムであること、軽量かつコンパクトなサイズ、そしてモダンなデザインでありながら、定評あるL-Acousticsのサウンド・シグネチャーを維持しているという点で、このフェスティバルに最適でした」とアルカサール氏は説明します。「大型アレイを設置してエネルギーの配分をコントロールする代わりに、L2はより小さな音源を使用し、それらを均一に分散させることができました。そして、カーディオイドパターンは、フェスティバル会場内で必要な場所に高い音圧レベルを提供しながら、周辺地域への音漏れを大幅に抑えることができたのです」
Smart Fussionは、「La Productiva Eventos。」の技術指導の下、2025年春から夏にかけて、マドリードのフアン・カルロス1世公園、リネアル・デル・マンサナレス公園、ティエルノ・ガルバン公園の3つの都市公園で開催されるBrunch Electronikの音響を担当しました。観客数は5,000人から20,000人近くにまで及び、各会場にはそれぞれ異なる音響的な課題がありました。フアン・カルロス1世公園は幅約40メートル、奥行き約125メートルと細長い形状のため、一貫したSPLとカバレッジを維持するために、ディレイ・タワーを効果的に配置する必要がありました。リネアル・デル・マンサナレス公園では、横に広い敷地に合わせて、より広い水平カバレッジと、音を均一に行き渡らせるための分散配置が求められました。

会場の変化に柔軟に対応
L2の軽量な設計は、搬入・設営の迅速化だけでなく、吊り込み作業における柔軟性も向上させました。Smart Fussionのチームは、会場の最終的なレイアウト決定を待つ必要がありませんでした。まずPanflexの開き角を設定してアレイを吊り上げるだけで、チルト、高さ、Autofilterの調整はすべて組み立て後に行うことができました。この俊敏性は、異なる公園のレイアウトに素早く適応するために不可欠な要素でした。
L2の導入は、フェスティバルにとって画期的な出来事でした。その違いは、技術チームだけでなく、フェスティバル主催者にとっても一目瞭然でした。「L2を初めて設置した時、イベント主催者は今後のイベントにもこれが必要だと明言しました」とアルカサール氏は振り返ります。

3つの会場にわたるスケーラブルな設計
さまざまな屋外会場で一貫したカバレッジを実現するためには、Soundvisionを用いた綿密な設計が不可欠でした。特にL2の導入においては、精密な3Dモデリングがシステムのカーディオイド性能に直接影響を与えるため、その効果は絶大でした。Smart Fussionは各会場をモデリングし、現場に到着する前に最適な配置とカバレッジパターンを予測しました。
2025年のマドリードの3つの公演で開催されたフェスティバルにおいて、Smart Fussionはあらゆる会場の要件に合わせて拡張できる柔軟なシステムアーキテクチャを構築しました。L2とL2DがメインPAの中核となり、KS28サブウーハーはカーディオイドの指向性を維持しながらフェスティバル会場内に低域エネルギーを閉じ込めつつ、広範囲な低域カバレッジを実現しました。
メインアレイではカバーしきれない近距離エリアにK3を配置してニアフィールドエリアをカバーし、会場後方へのスローを損なわないようにしました。DJモニタリングでは、A15 FocusとA15 WideエンクロージャーとKS21サブウーハーが回り込みを抑え、アーティストに必要な音圧レベル低域のレスポンスを実現しました。X15は、特に不規則な形状の会場セクションにおいて、必要に応じて特定のカバー範囲のギャップを補いました。
プロセッシングはFOHのP1ユニットを介して行われ、すべてのオーディオは光ファイバー経由で冗長化されたMilan-AVBネットワークを介して伝送されました。LA-RAK IIとLA-RAK IIIの各ラックに搭載されたLS10ネットワークスイッチにより、Smart Fussionはアンプネットワークを同時に監視・制御しながら、冗長化されたMilan-AVBを同じ光ファイバーケーブルで運用することができました。ケーブルを追加せずに安定した音声供給と自動フェイルオーバー保護を両方させました。LA7.16アンプリファイド・コントローラーはメインPAシステムとディレイを駆動し、LA12Xアンプリファイド・コントローラーはフィルスピーカー、サブウーハー、モニタースピーカーを駆動しました。このシステム構成により、Brunch Electronikの会場規模や公園のレイアウト変更に柔軟に対応できる拡張性の高いシステムを構築することができました。

「期待を上回る成果」
その効果は目に見える形で、かつ即座に現れました。Smart FussionのL-Acoustics公認技術者チーム(多くはSmart Fussionの自社施設で訓練を受けています)は、L-Acousticsと代理店EarProのサポートを受けながら、フェスティバル開催期間を通してシステム導入を行いました。
最終的に、システムはBrunch Electronikが求めていた力強く親密なサウンドを実現しつつ、フェスティバルをアクセスしやすくしている都市環境にも配慮した音響環境を構築することに成功しました。「私たちは当初の目標を達成しただけでなく、3つの開催地すべてにおいて予想を上回る成果を上げることができました」と、アルカサール氏は総括しています。



























