Photo Credit: Chornobay Andryl

2022年10月
リヴィウ州にあるエミリー・リゾートは、166室のホテル、ウェルネスおよびスパエリア、医療センター、スキー用のオールシーズンゲレンデなど、様々なヘルスとレクリエーション施設を提供するプレミアムな多機能複合施設です。リヴィウの歴史的中心部に近く、ヴィニキフスケ湖の絵のような景色が広がるこの施設を代表するのは、エミリー・イベントホールです。ウクライナ西部最大のコンサートホールで、起伏のあるメッシュ状の壁には国内で最も複雑な3Dマッピングのプロジェクションが常設され、L-Acousticsのウクライナとモルドバ公認プロバイダ「RealMusic」が納入したウクライナ初のL-Acoustics K3オーディオシステムを備えています。

1,500m²のイベントスペースには、高品質の音響および照明機器を備えた大型ステージ、整然としたバックステージ、バー、ケータリング施設、広大なインタラクティブビデオウォールなど、世界クラスのイベントを開催するために必要なすべてが揃っています。L-Acousticsの最小のフルレンジラインソースシステムであるK3が発売になったとき、エミリー・イベントホールはウクライナで初めてこの新しいシステムを購入した会場となり、中規模イベント向けにパワフルなサウンドを提供するという要件に完全に合致しました。

ウクライナ西部最大のコンサートホールであるエミリー・イベントホールには、RealMusicが設置した国内初のL-Acoustics K3オーディオシステムが導入されています。

エミリー・イベントホール・プロジェクトのキュレーターであるデニス・リンスキー(Denys Rynskyi)氏は、その決定プロセスについて、「最初から思慮深く、責任感のあるアプローチだったと語ります。「私たちは多くのテクニカルライダーを考慮して、アーティストのサウンドエンジニアと相談し、世界最高のコンサート会場のいくつかを研究しました。この徹底的な調査の結果、私たちの会場に最適なシステムは間違いなくL-Acousticsであるという結論に至りました。」

「これはウクライナにとって実に画期的なプロジェクトで、その設備の技術レベルにおいて匹敵するものはないでしょう。」と、RealMusicのプロオーディオシステムインテグレーション部門の責任者であるヴォロディミル・ゴロヴァン(Volodymyr Golovan)氏は語ります。「クライアントからの要件は非常に単純でありながら挑戦的でした。エミリー・イベントホールは、最も音質とライダー適応性の高いサウンドシステムを求めました。」とゴロヴァン氏は続けます。L-Acousticsの様々なソリューションを検討した結果、彼のチームはコンパクトなサイズと汎用性の高さからK3を推薦しました。「新しいK3は、クライアントの要望に完璧に応えてくれました。」

最終的なデザインは、片側6台のK3によるL-Rハングで構成されています。L-AcousticsのSoundvisionソフトウェアを使って、RealMusicのチームがPanflexで上3台のK3キャビネットの水平角度を70°に設定し、側壁からの不要な反射を減らしてアレイのロングスロー能力を向上させました。

下3台のK3キャビネットを110°に設定し、会場中央に幅広いカバレッジを確保しています。同じく110°に設定したA15 Wide 2台をセンターハングとして配置し、6台のKS28サブウーハーが低域を補強します。A10 Focus 2台とA10 Wide 1台による左右ハングがディレイを確保します。システム全体は4台のLA12Xと1台のLA4Xアンプリファイド・コントローラーでドライブされています。また、P1プロセッサーがスピーカーマネジメント、LS10がMilan AVBスイッチとして動作します。

エミリー・イベントホールの音響システムは、L-Acoustics K3の左右アレイとKS28サブウーハーで構成されています。
A10 Focus 2台とA10 Wide 1台による左右のハングがディレイを確保します 。

RealMusicのL-Acoustics公認システムデザイナーであるパブロ・ミネエフ(Pavlo Mineiev)氏は、K3がこの会場に適しているというゴロヴァン氏の考えに共感します。「L-AcousticsのK3ラインアレイは、エミリー・イベントホールに最適なソリューションです。このシステムは驚くほど汎用性が高く、美術展から会議、プレゼンテーション、ライブ音楽イベントまで対応できます。」

また、競合他社のソリューションとは異なり、K3は12インチスピーカーと強力な4インチドライバーで構成されているため、フラッグシップモデルのK1やK2の世界的に有名なサウンドシグネチャーを持つ純粋なフルレンジアレイであるとミネエフ氏は付け加えます。

「エミリー・リゾートのような5つ星の会場では、冗長性を備えた柔軟性と信頼性の高いシステムが非常に重要でした。」と結論付けます。「マトリックスプロセッサーとM1測定プラットフォームは、最大3台のゲスト用ミキシングコンソールとの同時使用を可能にし、フルアナログリダンダンシーを備えたMilan AVB経由の接続は、円滑で途切れのない運用を実現します。今年初めの設置に続き、RealMusicチームとホールの技術チームの両方がこのシステムに満足しています。来場者にL-Acousticsの迫力あるサウンドを披露するのを待ちきれません!」と話します。

2月以降、エミリー・リゾートはロシアのウクライナ侵攻が始まった当初から営業を続けており、難民を受け入れたり、助けを必要としている人々に支援を提供したりしています。エミリー・イベントホールは、チャリティーコンサートや、ウクライナ支援のための募金活動に利用されています。

エミリー・リゾートの多機能ホテル群のフラッグシップであるエミリー・イベントホールの外観。

L-Acoustics K3アレイの様子。

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